EV用電池需要期待のコバルト、需給まだひっ迫せず=ノリリスク
[モスクワ 30日 ロイター] – ロシア非鉄金属生産大手ノリリスク・ニッケルGMKN.MM>は、電気自動車(EV)のバッテリー向け需要が期待されているコバルトについて、今のところ需給ひっ迫には至っていないとの認識を示した。
ノリリスクはニッケルの副産物として年間約5000トンのコバルトを生産している。
戦略マーケティング責任者アントン・ベルリン氏がロイターのインタビューで「コバルト価格は上昇しているが、足元の供給に緊迫感は見られない。だれもが今後のEV向けの金属需要に目を向けており、コバルトの状況に当てはめればまさに『宝の山』とみなされる。ただしそれはあくまで将来の話だ」と語った。
現在のコバルト価格はポンド当たり30ドル超と9年ぶりの高値で、2015年終盤の10ドル弱からほぼ3倍に跳ね上がっている。CRUのジョージ・ハペル氏によると、世界のコバルト需要は今年見込みが10万2000トン程度だが、2021年には13万6000トン近く、25年には16万1000トン強に達すると予想される。このうちEVとモバイル機器用のバッテリー向け需要の割合は、今年が約40%で、21年は46%に高まるという。
こうした流れを背景に、EVのサプライチェーンに属する多くの企業がコバルトの確保に取り組んでいる。
ノリリスクはパラジウム生産量が世界最大で、プラチナの主要生産者でもあり、いずれもほぼすべての主要自動車メーカーに触媒として販売している。
ベルリン氏は「触媒事業におけるわれわれの従来の顧客は今、バッテリー分野の取引相手にもなっている。だから(コバルトの)引き合いがより鮮明なのだ」と説明した。
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