ホンダ、円安で今期営業益200億円上積み 配当性向重視に変更

[東京 1日 ロイター] – ホンダは1日、2018年3月期(今期)の連結業績予想(国際会計基準)を上方修正したと発表した。為替の円安効果により、今期の営業利益予想は従来から200億円上積みし、前期比11.4%減の7450億円になる見通し。

四輪、二輪のグループ販売計画も引き上げた。四輪は中国、二輪はインドなどでの販売好調を見込む。

トムソン・ロイターの算出したアナリスト23人の今期営業利益の予測平均値は8076億円。会社側の修正値は市場予想を下回る。

今期の前提為替レートは従来の107円から109円へ円安方向に見直した。会見した竹内弘平専務によると、第3四半期は今の為替状況が続くとの予想からやや保守的にみて1ドル=110円に設定したという。年明けの第4四半期については「いろいろ不確定要素もあり、当初の105円をそのまま据え置いた」(竹内専務)。

同社は同時に配当政策の変更も発表。これまでは配当と自己株式取得を合わせた金額の純利益に対する比率をいう「株主還元性向」として30%をめど、としていたが、今後は配当金額の純利益に対する比率である「配当性向のみ」で30%をめど、とした。

併せて900億円、2400万株(発行済み株式総数の1.3%)を上限とする自社株取得枠の設定も発表した。

<四輪、二輪の今期販売計画も上方修正>

今期のグループ四輪世界販売計画は従来の508万台から513万台へ5万台引き上げた。北米、欧州での販売は従来のまま維持。一方、日本を従来の68万台から69万台に、アジアを206万台から210万台にそれぞれ上方修正した。

アジアの上振れは中国の好調を織り込んだ。4―9月期の中国での小売り販売実績は前年同期比約19%増の72万9000台と上期として過去最高を記録した。主力セダン「シビック」やスポーツ型多目的車(SUV)の売れ行きが良く、今期の中国販売目標139万台は達成する見通し。

倉石誠司副社長は会見で、中国での旺盛な需要に「生産が追い付いていない」と指摘。すでに現地工場はフル生産状態で、「下期も好調が続くと思うが、大幅には伸ばせない」と語った。

二輪のグループ販売計画も従来の1877万台から1918万台に増やした。倉石副社長は、二輪好調の背景について「特にインドが非常に好調で、ベトナムも収益性が良い」と説明した。

*内容を追加します。

(白木真紀 編集:吉瀬邦彦)

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