レバノン大統領、サウジがハリリ首相拘束と批判

[ベイルート 15日 ロイター] – レバノンのアウン大統領は15日、辞任を表明したハリリ首相について、サウジアラビアに拘束されているとの見解を示した。

大統領は、ハリリ首相の不在を正当化する理由はなく、このため拘束されていると判断したと説明。また、首相の家族がサウジで自宅軟禁状態にあることを確認したと述べた。

レバノンのバシル外相は、状況は「正常ではない」とした上で、同国政府はサウジとの「良好な関係」を望むと述べた。

一方、ハリリ氏が率いる政党「未来運動」の議員は、ハリリ氏が15日、自身および家族は拘束されていないと語ったとロイターに明らかにした。

サウジはハリリ氏の支持国家とみられてきた。一方アウン大統領はレバノンのイスラム教シーア派組織「ヒズボラ」との政治的つながりを持つ。サウジはヒズボラを「テロ組織」とみている。

ハリリ首相は今月4日に滞在先のサウジで辞任を表明。首相に近いレバノン当局者はロイターに対し、首相が辞任を強制されたと述べている。

ハリリ氏とサウジはいずれも、サウジの同氏拘束または辞任強要を否定している。ハリリ氏は、向こう数日以内にレバノンに戻り、正式に辞表を提出するとしている。

一方、フランスのマクロン大統領は声明で、ハリリ氏とサウジのムハンマド皇太子と会談した後、同氏をフランスに招いたと明らかにした。招待は数日間のもので、政治亡命の目的ではないと説明した。

仏外交筋によると、ルドリアン仏外相は15日夜にサウジの首都リヤドに到着し、ムハンマド皇太子とレバノン情勢を協議する予定。16日にはハリリ氏と面会するという。

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