米陸軍長官、ドイツが国防費目標果たさなければNATO弱体化

[ベルリン 29日 ロイター] – マーク・エスパー米陸軍長官は29日、ドイツの次期政権が国防費を国内総生産(GDP)の2%以上に拡大するという北大西洋条約機構(NATO)加盟国としての約束を果たせなければ、NATOの弱体化を招くことになると警告した。

エスパー長官は、ドイツのウィースバーデンの米軍基地を訪れた際に電話会見で、NATO加盟国はGDP比2%以上という国防費目標を達成すると2017年にあらためて約束したと指摘。

「全加盟国が約束を果たすべきで、それができなければ同盟が弱体化するのは明白だ。ドイツはNATOの主要メンバーだ」と述べた。

そのうえで「2%を達成し、目標を果たすというドイツ政府の約束を信じている」とした。

ドイツのメルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は第2党の社会民主党(SPD)と連立政権樹立に向けた協議を進めている。双方が先に合意した本交渉の土台となる政策文書にはNATOの国防費目標は盛り込まれておらず、対立点への言及を避けた格好となった。

ドイツ産業連盟(BDI)は今月、ドイツの17年の国防費はGDP比で1.13%にとどまったとの推定を公表。経済成長率が想定を上回ったため、国防費比率はNATOが見込む1.22%を下回った。

BDIの専門家は、今後数年間で経済成長率が国防費増額を上回るペースで加速すれば、同比率はさらに低下する可能性があると指摘した。

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