伊総選挙、反移民右派政党と「五つ星」が政権担う権利主張

[ローマ 5日 ロイター] – 4日実施されたイタリア総選挙の開票が進むなか、反移民を掲げる右派「同盟」と反体制派「五つ星運動」の両政党のトップは5日、政権を担う権利を得たと互いに主張した。

両党は総選挙で得票率を伸ばし、躍進。開票途中の段階で、同盟を含む中道右派連合が最大勢力となり、五つ星は政党別で得票率トップとなった。ただ、右派連合、五つ星、左派連合の3勢力のいずれも過半数に届かない見通し。

同盟のサルビーニ書記長は記者会見で、「われわれは政権を担う権利と義務がある」と表明。また、投資家は何も恐れなくていいと強調した。

ただ、欧州連合(EU)懐疑派が率いる政権が誕生するとの懸念から、イタリア国債の利回りは上昇し、主要株価指数は下落、ユーロは一時的に売られた。

五つ星のディマイオ首相候補は、同党は3分の1程度の票を獲得し、圧倒的勝者となったため、次期政権を担うべきだと主張。また、「すべての政治勢力との協議に応じる用意がある」と表明したうえで、「国全体を代表する勢力」が政権を担う必要性を感じていると訴えた。

マッタレッラ大統領は政権樹立に向けた正式な協議を4月に始める見通し。

中道左派の与党・民主党(PD)は大敗を喫し、レンツィ前首相は党首を辞任するとともに、民主党は連立協議に応じることはないとの姿勢を示した。

同盟のサルビーニ書記長は5日に中道右派の最大野党「フォルツァ・イタリア」率いるベルルスコーニ元首相と会談するのに先立ち、 記者団に対し、広範な「ミネストローネ」連合に興味はないが、全ての政党と協議することには前向きだと述べた。同盟の経済担当責任者、クラウディオ・ボルギ氏は、最初に接触するのは五つ星になると語った。

 3月5日、4日実施されたイタリア総選挙の開票が進むなか、反移民を掲げる右派「同盟」と反体制派「五つ星運動」の両政党のトップは、政権を担う権利を得たと互いに主張した。写真はミラノで4日撮影(2018年 ロイター/Stefano Rellandini)

 3月5日、4日実施されたイタリア総選挙の開票が進むなか、反移民を掲げる右派「同盟」と反体制派「五つ星運動」の両政党のトップは、政権を担う権利を得たと互いに主張した。写真はミラノで4日撮影(2018年 ロイター/Stefano Rellandini)
関連記事
WHOは、5月27日に開催される世界保健総会に先立ち、パンデミック条約の一部条項を緩和したが、アメリカの批評家たちは、これらの変更が政策に対する懸念を十分に解決していないと指摘している。
2020年以降、香港の自治が中国共産党によってさらに侵食されつつあるため、ワシントンは香港に対する政策を見直すよう求められている。米国のシンクタンクである「戦略国際問題研究所(CSIS)」は5月7日、「2020年以降の香港の自治権の侵食」というタイトルの報告書を公開した。同報告書は北京による香港支配の拡大を明確に描き、米国政府に対香港政策の見直しを促す40ページに及ぶ調査結果を発表した。
5月14日、メリーランド州、ネブラスカ州、西バージニア州で民主党と共和党の初選が行われた。前大統領ドナルド・トランプ氏と現職大統領ジョー・バイデン氏は選挙戦でいくつかの警告信号に直面したが、全体的な状況は安定していた。5月14日予備選挙のハイライト
反ユダヤ主義に対抗することを目的とした法案が米国下院で可決され、憲法修正第一条の権利に影響を及ぼす可能性について党派を超えた議論が巻き起こっている。反ユダヤ主義啓発法として知られるこの法案は、5月1日、321対91の賛成多数で米下院を通過した。
5月14日、英国バーミンガムで行われた安全保障会議で、英国と米国は、中共によるサイバー攻撃とスパイ活動が世界の安全に重大な影響を及ぼしていると指摘した。