ロイター、比麻薬戦争とロヒンギャ族報道でピュリツァー賞受賞

[ニューヨーク 16日 ロイター] – 米報道界において最高の名誉とされるピュリツァー賞の受賞者が16日に発表され、ロイターは、フィリピンのドゥテルテ大統領が推進する麻薬戦争についての報道で国際報道賞を、またミャンマーを逃れるロヒンギャ族を撮影した写真で特集写真賞をそれぞれ受賞した。

「いずれの報道においても、記者たちは勇敢さと粘り強さが求められた。報道が極めて難しい場所で、記者たちには重圧がかかっていた。また脅迫を受けたこともあった」とロイター編集主幹スティーブ・アドラーは語る。「不正を暴き、弱者を守ることは報道の極めて重要な役割の一部だ。2つの報道はそうした役割を少しでも果たすことができたと思う」

また、公益部門賞には、ハリウッドのセクハラ問題を暴いたニューヨーク・タイムズ紙と雑誌ニューヨーカーが輝いた。ハリウッド映画界の大物プロデューサーだったハーベイ・ワインスタイン氏についての報道は、女性たちが自身の被害体験を証言する「#Me too(私も)」運動へと発展し、各分野の著名人が辞任や退任へ追い込まれた。

米連邦上院補選の共和党候補だったロイ・ムーア氏が30代の頃、10代の少女にセクハラ行為をした事件を報じたワシントン・ポスト紙が調査報道部門に選ばれた。

一方、音楽部門では、ケンドリック・ラマーがラップ歌手として初の受賞。選考委員会はラマーのアルバム「DAMN.」について、「現代のアフリカ系米国人の生活の複雑さを捉えた、心を震わす作品集」だと評価している。

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