米から輸入のフォード車が中国の港で足止め、貿易摩擦影響か
[北京 9日 ロイター] – 米中間の貿易摩擦が続く中、中国の港では、米国から輸入されたフォード・モーター<F.N>車の通関手続きが長期化している。関係者3人がロイターに明らかにした。
関係者によると、フォードとその高級車ブランド「リンカーン」の輸入車の通関手続きに通常より長く時間がかかっている。当局者が追加の詳細検査を求めていることが理由という。
BMW<BMWG.DE>、ダイムラー<DAIGn.DE>など一部ドイツメーカーの米国生産モデルの通関も遅れているもよう。
中国のフォード幹部は、輸入車の排気装置について追加検査を求められていると明らかにした。
中国税関当局はコメントの求めに応じていない。
ロイターは8日、関係筋の話として、中国が米国産豚肉の検査を強化していると伝えた。税関当局は、米国産りんごや丸太についても検疫を強化すると発表している。
関係者の1人は、フォード車やBMW、ダイムラー傘下メルセデス・ベンツの米国生産モデルの通関の遅れはここ2週間続いていると指摘。「税関側は技術的な問題のために米国製の車の通関ができないように見せかけているが、米中貿易摩擦が背景にあるに違いない。ただ、それを公に認める人はいない」と語った。別の関係者も、貿易摩擦との関連を指摘した。
BMWの広報担当者はロイターに取材に対し、「米国製のBMW車の通関手続きは先週とそれ以前の時点で遅れていない」と語った。
ダイムラーの広報担当者は米中の通商協議について「状況を注視している」としたが、それ以外のコメントは控えた。
フォード(上海)の担当者は「港での状況を注視している」と説明。中国に輸入されるフォード車は通常、上海港と天津港で荷揚げされると述べた。
ロイターが取材した日本とドイツの車メーカーは米国以外で生産された車を中国に輸入する際に同様の通関の遅れは生じていないとしている。