イタリア新首相、急進的な変革約束 ユーロ離脱「検討せず」

[ローマ 5日 ロイター] – イタリアのコンテ新首相は5日、議会で所信表明演説し、国民に急進的な変革をもたらすと約束した。またその後の討論では、ユーロ離脱について「一度も考えたことがない」と言明した。

首相は議会での討論の最後に「ユーロ離脱はこれまで検討したことも無く、検討中でもない。このことを改めて強調する必要がある」と述べた。

コンテ氏(53)の所信表明演説は、連立政権を発足させた大衆迎合主義(ポピュリズム)政党「五つ星運動」と右派政党「同盟」が数日前にまとめた政策合意の主要素をすべて踏まえた内容となった。

首相は「本当のところ、われわれは急激な変化をもたらしており、そのことを誇りに思う」とした上で、五つ星の公約である最低所得保障(ユニバーサル・ベーシックインカム、UBI)や同盟の公約である不法移民の流入阻止が優先課題になると語った。

両党の連立内閣は、五つ星を率いるディマイオ氏が副首相兼経済発展・労働相に、同盟のサルビーニ書記長が副首相兼内相に就任した。首相のコンテ氏は法学者で政治経験はなく、政党に属さないが、五つ星と近い関係にあり、同党が選挙前に閣僚候補として挙げていた人物の1人だ。

コンテ氏は所信表明演説で、ポピュリズムと反体制派で構成される政権と指摘されていることに関し、国民の要求に耳を傾けるのがポピュリズムで、古い特権や権力を取り除くのが反体制派なら「そう呼ばれるのにふさわしい」と受け入れる姿勢を示した。

金融市場で懸念がある財政政策については、ユーロ圏の財政規律は「市民を助けることを目的」にすべきと主張し、欧州連合(EU)の統治枠組みを変えるために交渉を行う意向を示した。

コンテ氏の発言を受けてイタリア国債は売られ、10年債利回り<IT10YT=RR>は18ベーシスポイント(bp)上昇の2.74%となった。

みずほのストラテジスト、アントワーヌ・ブーベ氏は「所信表明演説には五つ星運動と同盟の提案が骨抜きにされる兆候を示唆するものはなかった」と指摘した。

ただ、両党の政策合意のうち、コンテ氏は定年引き上げなどの年金改革の撤回については触れなかった。

所信表明後の討論で、モンティ元首相は、政府が慎重に財政を運営しない限り、ユーロ圏と国際通貨基金(IMF)などの支援下に入る恐れがあると警告した。

イタリアの債務は国内総生産(GDP)比で約130%と、ユーロ圏の主要国では最大。エコノミストらは、連立政権が掲げる政策によって年間の歳出が数百億ユーロ規模で膨れることになると推定する。

コンテ氏は「公的債務の圧縮を目指しているが、ここ数年の債務拡大につながった緊縮策を通じてではなく、われわれの富を増やす方法でそれを達成したい」と表明した。また、債務は「現在、完全に持続可能」な水準にあり、経済成長が債務削減の鍵になると強調した。

また、連立政権が公約した所得税を2段階課税に変更し、減税も行う税制改革に触れたが、時期などの詳細には言及しなかった。

コンテ首相は「欧州はわれわれのふるさとだ」と強調。連立政権はロシアとの関係改善を掲げているが、米国との同盟関係や北大西洋条約機構(NATO)にコミットする立場をあらためて示した。

さらに、移民問題の解決を約束。「われわれは人種差別主義者ではなく、今後そうなることもない。効果的な(難民の)権利保護のため、確実で迅速に難民認定ができる手続きを求めている」と説明した。

*内容を追加します。

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