トランプ米大統領、共和党提出の移民関連2法案を両方支持=報道官
[ワシントン 15日 ロイター] – 米ホワイトハウスのシャー副報道官は15日、トランプ大統領は与党共和党が提出し、下院で審議されている移民関連2法案をどちらも支持していると表明した。法案はそれぞれ穏健、強硬な内容となっており、大統領は先に、穏健な案に反対する立場を示していた。
トランプ大統領はこの日のFOXニュースとのインタビューで、2つの法案のうち「より穏健な案に署名することはしない」と言明。「米国の国境警備をとてつもなく強固にする法案が必要だ」と付け加えた。
この発言を受けてライアン下院議長など下院共和党の指導部は、穏健な案に議員らの支持を取り付ける取り組みを停止。同案は幼少期に親と米国に不法入国した若者の強制送還を猶予する「DACA」制度の受給者「ドリーマー」を保護し、市民権獲得に道を開く内容となっており、もう1つの法案よりも可決の可能性が高いとみられていた。
ただ、シャー副報道官は文書で、トランプ大統領は、ボブ・グッドラット下院議員(共和党)が提出した強硬な案と下院指導部による穏健な案の「両方を完全に支持」していると説明。どちらも署名するだろうとした。
グッドラット議員提出の法案は、ドリーマーに市民権獲得の機会を提供しない内容となっている。
トランプ大統領はこの日、ツイッターに、「いかなる移民法案も(メキシコ国境沿いの)壁への全面的な予算計上、(不法移民を捕らえてもいったん釈放する)キャッチ・アンド・リリース、ビザ抽選、連鎖移民の各制度の廃止、技能ベースの移民制度への移行を盛り込むべきだ」と投稿した。
共和党議員提出の2法案には野党民主党や移民擁護団体が厳格すぎるとして反発している。両案ともメキシコ国境沿いの壁建設費を予算計上し、永住権を得た移民が祖国から親族を呼び寄せる連鎖移民の下でのビザ配給を抑制する内容となっている。
トランプ大統領は昨年9月、オバマ前政権が導入したDACAの撤廃方針を決定したが、今年3月5日までに議会が代替案を法制化することを認める考えも示していた。期限までに代替案は可決されなかった。