不法入国者は司法手続き経ず「即座に強制送還を」=米大統領 

[ワシントン 24日 ロイター] – トランプ米大統領は24日、米国への不法入国者は司法手続きを通さずに即座に強制送還すべきだとツイートした。これについて法律専門家や人権保護団体は、米憲法の下での適正手続きの規定に違反することになると批判した。

トランプ大統領はツイッターに「これほど多くの人が米国を侵入するのを許すわけにはいかない。入国者は即座に、裁判官や裁判手続きを通さずに出身国に送りかえすべきだ」と投稿。「これほど多くの人たちが米国への侵入を試みるのを許すわけにはいけない。堅固な国境で犯罪阻止を!」と強調した。

トランプ大統領のツイートが、米当局が手続きを経ずに不法入国者の国外退去を命ずる「簡易送還手続き」の適用拡大を訴えているものなのかどうかは明らかではない。不法移民と難民申請者を区別してもいないとみられる。

ホワイトハウスに詳しい説明を要請したが、これまでのところ返答はない。

全米黒人地位向上協会(NAACP)の法的防御基金のトップ、シェリリン・アイフィル氏はツイッターで、「大統領はたった今、政治亡命者の保護の終了と移民に対する適正手続きの適用除外を強引に提案した」と批判。

米国自由人権協会(ACLU)移民人権プロジェクトの幹部、リー・ゲラーント氏はロイターに、「米政権が安易に移民に関する全ての手続きを撤回することは許されない。適正手続きの規定は完全に適用される。適用するかしないかを選択できるわけではない」と強調した。

簡易送還手続きの規定の下では、不法入国者が国境の160キロ圏内で捕らえられ、入国してから14日未満の場合、裁判所での審理を経ない即時の強制送還が可能となる。難民申請者に対しては審理を実施する必要がある。

米政府の移民政策を巡っては、不法移民の親子を引き離す措置について国内外から強い批判が出ており、トランプ大統領は20日、不法移民の家族を一緒に収容する大統領令に署名した。

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