欧州議会、欧州投資銀行の対イラン取引認める計画を承認

[ブリュッセル 4日 ロイター] – 欧州連合(EU)の欧州議会は4日、欧州投資銀行(EIB)にイランとの取引を認める計画を承認した。米国抜きのイラン核合意維持に向けた方策の一環。

EUは米国による核合意離脱と対イラン制裁再開の決定を受けて、イランと取引する欧州企業を保護する計画で、その柱にEUの公的金融機関であるEIBを据えている。

この日の欧州議会では、EIBによる対イラン取引の制限解除に向けた欧州委員会の案に対し、極右政党の会派「自由と直接民主主義の欧州(EFDD)」が阻止を狙った動議を提出したが、反対票が圧倒的多数となり、否決された。

これを受けて8月初めに制限解除措置が発効する。

制限解除に向けた案の準備討議を主導した中道右派政党の会派「欧州人民党」のジークフリート・ムレシャン議員はロイターに対し、「イランで適切なプロジェクトが見つかれば、EIBによる投資を可能にする」と説明。「イラン核合意は欧州の安全保障にとって好ましい」と語った。

EU加盟各国の政府はEIBの対イラン融資を阻止することが技術的に可能だが、5月のEU首脳会議で公式に支持が表明されていることから、阻止はしない見込み。

EUのモゲリーニ外交安全保障上級代表(外相)は、イラン核合意の存続に向けて6日にウィーンで開かれるイランと仏独英中の外相による会合で議長を務める予定で、欧州議会の今回の決定は存続に向けた議論の後ろ盾となる見通し。

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