米制裁懸念で仏海運大手がイラン撤退、ロウハニ大統領は欧州に支援訴え

[エクサンプロバンス(フランス)/ロンドン 7日 ロイター] – コンテナ海運大手の仏CMA・CGM[CMACG.UL]は7日、取引額の大きい米国での対イラン制裁の対象となることを避けるため、イランとの取引から撤退すると発表した。

CMA・CGMの発表は、新たな制裁をちらつかせる米国に対抗して、欧州企業にイランでの事業を継続させようと努めるイラン政府にとって打撃だ。

イランは、米国が5月に離脱を表明した2015年核合意を存続させるには、米制裁の影響を緩和するような欧州からのさらなる支援が必要だとしている。

ロウハニ大統領は7日、公式サイトに声明を掲載し、「欧州諸国は核合意に基づいてイランとの経済関係を維持する政治的な意思を持っているが、期限内に実際的な手段を講じる必要がある」との考えを示した。

英国、フランス、ドイツ、中国、ロシアとイランは6日、ウィーンで外相級会合を開き、米国抜きの核合意存続を巡り協議したが、明確な突破口は見いだせなかったもよう。

会合では、8月に再開される米国の対イラン経済制裁の影響緩和に向けた支援策がイランに提示されたが、イランは内容が不十分とした。

トランプ米大統領は5月、イランの核開発を制限するため欧米など6カ国とイランが2015年に締結した核合意から離脱し、対イラン経済制裁を再開すると発表した。

デンマークの海運複合企業APモラー・マースク<MAERSKb.CO>は5月、米国による対イラン制裁の再開に対応するため、イランでの事業を閉鎖する方針を表明。

仏自動車大手PSAグループ<PEUP.PA>は6月、米国の対イラン制裁を回避するため、イランでの合弁事業を停止。仏石油大手トタル<TOTF.PA>は、イランにおける数十億ドル規模のガス事業が米国の制裁対象から除外される見込みは薄いとしていた。

トタルのプヤンヌ最高経営責任者(CEO)は7日、同社に残された選択肢はほとんどないと発言。RTLラジオに対し、「イランで事業を継続すれば、トタルは米国の資本にアクセスできなくなる。われわれには会社を守る責任があるため、イランを離れるしかない」と語った。

関連記事
5月14日(火)、ドナルド・トランプ前大統領のニューヨーク裁判が行われているマンハッタンの裁判所の外で行われた短い記者会見で、マイク・ジョンソン下院議長(ルイジアナ州選出)は、この訴訟を「司法の茶番」と強く批判した。元訴訟弁護士で、現在共和党の最高位議員であるジョンソン氏は、この訴訟と米国の司法制度への広範な影響に憤りを表明した。彼はトランプ大統領に直接電話し、裁判に出席したいと伝えたという。
5月14日、バイデン政権はトランプ前大統領の元顧問スティーブ・バノン氏に対する実刑判決の執行を連邦判事に求めた。バノン氏は2022年に議会侮辱罪で禁固4カ月の判決を受けたが、判決を不服として控訴したため、刑は保留されていた。しかし現在、司法省は「もはや『判決を覆すか新しい裁判を命じることになりかねない法律上の実質的な問題』は存在しない」とし、バノン氏の主張をすべて退けた。
全米の大学キャンパスなどで頻発している活発なパレスチナ支援デモに、中国共産党と関連のある団体が資金提供していることが明らかになった。「2024年米大統領選に向けて不安をあおり、若者を過激化させ、米国を不安定化させることが目的」と分析している。
国際人権NGO アムネスティ・インターナショナルが最近発表した報告によると、中国や香港出身の留学生が海外で人権活動に関わった場合、その家族が中共による脅迫や報復を受ける事例があることが指摘された。このような中共の国際的な弾圧の実態が、再び世界の関心を集めている。
2020年以降、香港の自治が中国共産党によってさらに侵食されつつあるため、ワシントンは香港に対する政策を見直すよう求められている。米国のシンクタンクである「戦略国際問題研究所(CSIS)」は5月7日、「2020年以降の香港の自治権の侵食」というタイトルの報告書を公開した。同報告書は北京による香港支配の拡大を明確に描き、米国政府に対香港政策の見直しを促す40ページに及ぶ調査結果を発表した。