7月9日、米で開かれた「中国人権弁護士一斉拘束」3周年関連講習会で、人権活動家の陳光誠氏(中央)が、「中国人権弁護士アワード」を受賞した王全璋弁護士の代わりに、国連拷問禁止委員会のフェリス・ガイル(右)副委員長から賞を受け取った(王新一/大紀元)

「709弁護士一斉拘束」3周年 複数の海外都市で抗議活動 

中国当局は3年前の7月9日、国内の人権派弁護士を一斉に身柄拘束し、数カ月間で弁護士、活動家の合わせて300人超を拘禁した。「709事件」と呼ばれたこの一斉拘束事件に世界が注目している。9日、米国、香港、台湾で講演会や抗議集会が行われた。

同日、米ニューヨーク市にあるフォーダム大学ロースクールで14の人権団体が、共同で事件を記念する講演会を開催した。主催側は事件後に唯一、消息不明になった王全璋弁護士に初の「中国人権弁護士アワード」を授与した。著名な人権派弁護士高智晟氏も同時受賞した。

中国当局に拘束された276人の人権弁護士のほとんどは、当局の弾圧を受けている気功グループ「法輪功」愛好者やキリスト教信者、人権活動家の弁護を積極的に引き受けていた。

現在、当局は周世峰弁護士と江天勇弁護士らを拘禁している。また、20人あまりの弁護士資格が抹消された。一部の弁護士は拘禁中、当局から拷問や不明な薬物投与を受けた。江天勇弁護士と先日、面会した親族によると、同弁護士は「1日2回薬を飲まされている。記憶力がひどく低下し、同じことを何度も聞いてくる」という

米に亡命した高智晟弁護士の妻・耿和氏と人権活動家の陳光誠氏はそれぞれ、高弁護士と王弁護士の代わりに、賞を受け取った。

9年間も高弁護士と会っていないという耿和氏は、「夫の安否を非常に心配している。生きているかどうかも分からない」と話した。耿氏の話に多くの出席者が涙を流した。

高智晟氏は11年に「国家政権転覆扇動罪」で有罪判決を受け、収監された。2014年8月に出所後も、中国陝西省にある故郷の村で厳しい監視下に置かれていた。17年8月、再び公安当局に連行された後、所在が分からなくなった。

王全璋弁護士の妻の李文足氏は、講演会に寄せたビデオメッセージで、支援者に感謝の意を述べた。また、同日に自身のTwitterに「どうか私のために、生き続けるように」と夫宛てのメッセージを発表した。

国連拷問禁止委員会のフェリス・ガイル(Felice D. Gaer)副委員長、米国弁護士財団(American Bar Foundation)代表を務めるテレンス・ハルイデイ氏などの有識者が講演会に出席した。中国当局による人権弁護士への迫害を非難した。

香港でも9日、複数の人権団体が中国の駐香港特区連絡弁公室(中連弁)の前で集会を開いた。黒の衣装を身にまとう参加者は7分9秒間の無言の抗議を行った。今の中国は「暗黒の時代で言論の自由がない」という意味合いが込められている。

台湾では、台湾や海外の約60の法曹関連団体や人権団体が、立法院(国会に相当)で記者会見を開いた。中国当局による人権弁護士への拷問と虐待を強く非難し、「直ちに無条件に解放せよ」と要求した。

(記者・王新一、翻訳編集・張哲)

関連記事
2024年5月4日、中国重慶市の景勝地にある絶叫マシンが運行中に突然故障し、数十人の観光客が約3分近く宙づりにされる「事故」が起きた。
中国経済の後退に伴い、地方政府は借金問題に直面し、給与の未払いや削減が中国で広がっている状況だ。各地の公務員は報道機関に対し、給与が減額されたり、支払いが滞ったりしている実態や、退職者の年金が遅配されたり、減額されている事実を訴えている。ネット上では、「公務員の安定した仕事(鉄の飯碗)は名ばかりで、実際には中身が伴っていない」と皮肉交じりにコメントされている。
北京にある清華大学が4月下旬に創立113周年を迎え、記念イベントには多数の卒業生が参加した。しかし、学校周辺の […]
2024年4月26日、中国河南省のプールで「息継ぎ」の練習中に男性が溺死する事故が起きた。
このほど、中国のトップ大学「清華大学」の学生ら百人以上が集団で食中毒にかかったことがわかった。