米、北朝鮮に非核化の行動求める 安保理各国には制裁決議履行を要請

[国連 20日 ロイター] – ヘイリー米国連大使とポンペオ国務長官は20日、北朝鮮に非核化に向けた約束の実行を求めると同時に、中国とロシアを含む国連安全保障理事メンバー各国に対しては、北朝鮮制裁決議の完全履行を継続するよう要請した。

ヘイリー大使は記者団に対し、北朝鮮への原油供給停止を巡り、今年1─5月に89件の違反があったとし、米政府は証拠写真を握っていると語った。

ポンペオ長官も、制裁で禁止されている北朝鮮産の石炭輸入や北朝鮮労働者の就労許可などでの違反も取り締まる必要があると述べた。

6月にシンガポールで開催された米朝首脳会談では、トランプ大統領と金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は朝鮮半島の完全な非核化を目指すことで合意。ポンペオ長官はその後、北朝鮮側と協議を続けているものの、これまでのところ北朝鮮は具体的な行動には出ていない。

ポンペオ長官は「金氏が世界と交わした約束を果たすことを確認する必要がある」と強調した。

ヘイリー大使は、中国とロシアが今週、北朝鮮に対する石油精製品の追加供給を打ち切る米国の動きを阻止したと批判。非核化の実現で「成功を収めたいのであれば、金氏の対応を確認する必要があり、われわれはそれまで現在の制裁を維持する必要がある」と述べた。

ロシア当局者はロイターに対し、すべての制裁を履行しており、ヘイリー大使の批判に根拠はないとした。

中国の馬朝旭国連大使は、中国が朝鮮半島の非核化実現に向けた取り組みにコミットしているとした上で、「誰もが国連安保理で決めた制裁決議を完全履行すべき」と述べた。

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