IMFのパキスタン支援、中国への返済充当は認めず=米国務長官

[ワシントン 30日 ロイター] – ポンペオ米国務長官は30日、パキスタンの新政府に対し国際通貨基金(IMF)が緊急援助を行う場合、その資金は中国からの融資返済に充てられるべきではないと警告した。

パキスタンでは25日に実施された総選挙で、クリケットの元スター選手イムラン・カーン氏の率いる野党・パキスタン正義運動(PTI)が勝利。今後、新政権が成立する見通しだ。

ポンペオ氏はCNBCとのインタビューで、米国として新政府と連携したいとの意向を示したが、中国からパキスタンへの融資の返済にIMFの援助が使用されることには「論理的根拠がない」と主張。

「間違えてはならない。米国はIMFの措置を監視していく」と述べ、「IMFの出資金と、IMFの資金の一部を構成するわが国からの出資が、中国の債権者や中国そのものの救済に使用される論理的根拠はない」と話した。

英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙は29日、パキスタンの財務関連の政府高官らがカーン氏に対し、IMFへ最大120億ドルの支援を要請するよう提案したと報じていた。

IMFの広報官は「現時点でパキスタンから支援要請は受けておらず、支援の意図について協議はしていない」と述べた。

同国では通貨危機の回避が課題となっており、カーン氏にとって政権樹立後の最初の問題となる見込みだ。多くのアナリストらは5年間で2度目の緊急援助が必要になると分析。インフラ計画へ充当するため、中国政府や銀行からはすでに約50億ドルの融資を受けている。

パキスタンは1980年以降、IMFから14回の資金援助を受けた。

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