米が「古いシナリオ」に固執なら、非核化進展せず=北朝鮮外務省

[ソウル/ワシントン 9日 ロイター] – 北朝鮮の外務省は9日、過去に失敗に終わってきた「古いシナリオ」に米国が固執するのであれば、6月に開催された米朝首脳会談で合意した非核化に向けた取り組みは進展しないと認識を示した。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)が伝えた声明によると、外務省は首脳会談で示した非核化実現に向けた意志は変わっていないと強調。さらに、米朝の関係改善に向けたトランプ大統領の決意に反し、一部の米政府高官は北朝鮮に対し制裁や圧力を掛けようと働き掛けていると主張した。

北朝鮮は核実験場を廃棄したほか、1950─53年の朝鮮戦争で死亡した米兵の遺骨返還にも応じたと指摘し、「こうした善行が双方に立ちはだかる不信の壁を取り除き、相互信頼を築く一助になるものと期待した。しかし米国の対応は国際的な制裁や圧力をあおることだった」とした。

その上で「米国が対話相手に対する基本的な礼儀さえわきまえず、過去の政権が繰り返しつまずいてきた旧態依然のシナリオに固執する限り、非核化を含めた朝米共同声明の履行はいかなる進展も期待できない」と表明した。同時に「両国首脳の考えを支持し、信頼を築き、誠意を持って共同声明を一歩一歩履行していくというわれわれの意思に変わりはない。米国は今さら遅きに失しているとはいえ、相応の態度でわれわれの真摯な努力に報いるべきだ」と主張した。

ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は7日、FOXニュースのインタビューに対し、北朝鮮は6月の米朝首脳会談で確約した非核化に必要な措置を取っていないと述べていた。また、トランプ米大統領が金正恩朝鮮労働党委員長に宛てた書簡で、ポンペオ国務長官による再度の訪朝を提案したと明らかにしていた。

国務省のナウアート報道官は9日の定例会見で、米国は北朝鮮と毎日あるいは1日おきに連絡を取り合っていると説明。また、公表できる出張の予定はないと述べた。

米朝間の協議に詳しい米当局者らはロイターに対し、北朝鮮は核放棄の期限を設定することや保有している核能力の規模の公表にこれまでのところ合意していないと語った。さらに、核実験施設の査察も認めていないことを明らかにした。

*内容を追加します。

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