中国、イランのタンカー使用し石油輸入継続へ 米制裁回避狙う

[北京/シンガポール 20日 ロイター] – 中国がイラン産石油の輸入継続を目指し、輸送を自国の船舶からイラン国営タンカー会社(NITC)の所有するタンカーに切り替えていることが、関係筋の話から20日明らかになった。

関係筋によると、中国業者がイランの石油タンカーにシフトする動きは最近始まった。米国によるイラン石油禁輸措置の導入をにらみ、イランからの石油輸入を確実にすることが狙いとみられる。中国が米国との貿易摩擦を背景に、米国からの石油輸入への依存を減らしていることも背景にある。中国はイラン産石油の最大の輸入国。

米国は11月からイラン産原油の輸入を停止するよう各国に要請しており、日本や韓国、インド、大半の欧州諸国はこれまでに、イランとの石油関連取引を大幅に手じまっている。

事情に詳しい4人の関係筋によると、中国国有の石油貿易会社、珠海振戎と石油精製大手の中国石油化工(シノペック)は、イラン国営石油会社(NIOC)との長期供給契約に含まれている条項に基づき、NITC運営のタンカーを使用し始めた。

トムソン・ロイターのデータによると、7月にイランから中国への石油輸送に使用されたタンカー17隻すべてがNITCの運営によるもの。6月は19隻中8隻が中国船舶だった。

前月に使用された17隻のタンカーに積み込まれたのは、約2380万バレルのイラン産原油とコンデンセート油(軽質油)で、日量換算で約76万7000バレルに上った。6月の積載量は1980万バレル、日量66万バレルだった。

中国税関総署のデータによると、中国による2017年のイラン産原油の輸入量は日量62万3000バレルだった。

米国務省の当局者は、米政府は中国がイランとの経済協力を維持する意向であることを承知していると述べた上で、米国は制裁実施の方針を堅持しているとした。

「米国の対イラン政策や制裁再開の影響については引き続き中国のカウンターパートと協議をしている」と述べた。

*内容を追加しました。

イランのザンギャネ石油相はこの日、仏トタル<TOTF.PA>がイランの天然ガス田「サウス・パース」開発プロジェクトから正式に撤退したと発表。トタルは、米国から制裁免除の認可を獲得できなかったことを明らかにした。

イラン当局者はこれまでに、中国石油天然気集団(CNPC)が、トタルが保有する同プロジェクトの権益を引き継ぐ可能性があることを明らかにしている。

トタルは電子メールで「トタルの権益に関するCNPCの公式な立場について知らされていないが、これまでも表明してきた通り、CNPCはトタルの権益を引き継ぐ権利がある」と説明した。

マクロン仏大統領は、米国が5月に2015年のイラン核合意からの離脱を表明したことを受け、同合意を存続させ、欧州連合(EU)加盟国企業のイランでの権益を守る必要性を繰り返し訴えてきた。

ただ、大半の欧州企業は米制裁の対象となる事態を回避するためにイランとの取引から撤退することを余儀なくされると認めている。

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