英外相、EUに対ロシア制裁強化訴える 「米と協調すべき」

[ロンドン 21日 ロイター] – 7月に就任した英国のハント外相は21日、訪問先の米国で演説し、英国で3月に起きた元ロシア情報機関員らの毒殺未遂事件を受け、米国に足並みをそろえる形でロシアへの制裁圧力を強めるよう欧州連合(EU)に訴える見通しだ。

外相はEUに対し、「対ロシア制裁が包括的な内容で、米国と真に歩調が合っていることを確実にするよう求める」と表明する。「つまり、(毒殺未遂事件が起きた英南部)ソールズベリーからクリミアに至るまで、ルール違反は声をそろえて非難し、対応するということだ」と強調する。

英国、EU、米国は毒殺未遂事件を巡りロシアを非難しているが、ロシアは関与を否定。

米政府は今月8日、同事件についてロシア政府が神経剤を使用したと断定し、同国に新たな制裁を科すと発表。また、ロシアが化学兵器の使用を停止するという「信頼できる保証」を示さなければ、90日後に「一段と厳しい」制裁第2弾を導入すると明らかにした。

英国は来年にEU離脱を予定しているが、現在は加盟国としてEUの制裁政策に従っている。EUは6月に、クリミア半島併合とウクライナ東部の紛争介入を巡るロシアへの経済制裁を延長することで合意したが、毒殺未遂事件絡みでは制裁を発動していない。

ハント外相は演説でEU離脱にも触れ、無秩序な離脱は欧州内に亀裂を生じさせることになり、解消には時間がかかると強調する見通し。その上で、EU欧州委員会に対し、メイ英首相の離脱に関する提案を「予断を持たず」に検討するよう訴える。

外相は22日にポンペオ米国務長官を含む米当局者らとの会談が予定されている。

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