情報BOX:米とメキシコ、NAFTA再交渉合意の要点

[27日 ロイター] – 米国とメキシコは17日、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の2国間協議で合意した。カナダとの協議を近く再開する方針だ。

米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表によると、米政府は2国間合意に署名するトランプ大統領の意向を31日までに米議会に通知する。ただ、カナダが協定に参加する道は開かれているという。

再交渉の要点は以下の通り。

<自動車の現地調達比率引き上げ>

米国とメキシコは争点だった自動車の原産地規則について、現地調達率を現行の62.5%から75%に引き上げることで合意した。

両国はまた40─45%を、時間当たり賃金が最低16ドルの工場で生産することで合意。米国製の鉄鋼、アルミニウム、ガラス、プラスチックの利用を増やすことも義務付けた。

トランプ大統領は、協定が5年ごとに再交渉され、合意に至らなければ自動的に廃止になる「サンセット条項」を導入する要求を撤回。企業はサンセット条項について、長期的投資を阻害すると主張していた。

代わってサンセット条項は6年ごとの見直しにシフト。NAFTAには16年の期限が設けられ、見直しを経てさらに16年の延長が可能になる。

ライトハイザー氏によると、メキシコは紛争解決手法を定めた19条を除外することに合意。カナダは除外には反対している。

新たな合意では、米国とメキシコ間で取引される農産物は関税をゼロに据え置く。農業技術の発展を支援するためバイオテクノロジーの導入に取り組む。

メキシコ人の賃金を引き上げる取り組みとして、国際労働機関(ILO)の労働基準を順守することをメキシコに義務付ける条項も盛り込んだ。

<カナダへの働き掛け>

最終協議に加わらなかったカナダは現在、NAFTAにとどまるため自動車貿易の新たな条件などについて合意するよう圧力を受けている。

トランプ大統領は、仮に3カ国合意が成立しなければ、カナダ製自動車に関税を課すと表明している。

<トランプ大統領の不満>

トランプ大統領は1年に及ぶNAFTAの再交渉を通じて、NAFTAによって米製造業の雇用がメキシコに流出していると指摘し、NAFTAを「最悪の通商協定」と批判してきた。

トランプ氏は、NAFTAが米国の国益にかなう形に再構築できなければ、同協定から撤退すると頻繁に主張していた。

NAFTAは年間の貿易総額が1兆2000億ドルに上る3カ国間の通商を支えている。

米国とメキシコ間の年間貿易総額は5500億ドル。米国の輸出品の約16%はメキシコ向け。メキシコの輸出品の約80%は米国向けとなっている。一方、カナダからの輸出は75%が米国向けだ。

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