米議員は、中国共産党政府によるウイグル族への弾圧を停止するよう求める法案を準備している。向かって右、法案を作成する一人である中国委員会共同議長マルコ・ルビオ議員(GettyImages)

米議員、ウイグル弾圧停止法案を準備 人権侵害の責任を追及

米議会の超党派議員らは、中国の新疆ウイグル自治区における弾圧停止への法案を作成中だという。最終的には人権侵害を実行する行政担当や警察機構などの組織の責任者を追及する。米政治ニュースサイト・ポリティコが13日に報じた。

同サイトによると、この法案は中国共産党政府によるウイグル族に対する「暴力的な拘禁や拷問、地域住民への虐待」をやめるよう呼びかけるもの。被害者には米国在住のウイグル族も含まれているとしている。

法案の作成者は、マルコ・ルビオ上院議員(共和)とボブ・メネンデス上院議員(民主)。ルビオ議員が共同委員長を務める米議会の中国委員会(CECC)は、ウイグル人権政策法案を上院で可決することに動いている。ボイス・オブ・アメリカによると、上院で賛成議員は15人。

法案は米国務院、連邦捜査局(FBI)、国家情報局(CIA)など複数の組織からの報告を必要としている。収容施設の範囲や、建設に関わった行政担当や企業などの調査が求められている。

いっぽう、中国の王毅外相は、新疆強制収容所に関する「噂」を無視するよう国際社会に要求した。

2018年2月新疆ウイグル自治区カシュガルの広場。数年前まで宗教儀式が行われていたが、現在は禁止されている(GettyImages)

11月13日、北京で中国ドイツ外交安全保障対話が行われた。記者団から新疆ウイグル自治区における弾圧について質問が上がったところ、王毅外相は、「テロと過激主義に対抗する努力を理解して欲しい」と述べた。さらに「中国内政の範囲であり、中国政府が正式に発表した情報を重視して報道するように。ささいな噂話に熱を上げないように」と答えた。

英BBCによると、新疆ウイグル自治区では収容所施設が急速に広い範囲で建設されている。収容者は中国籍のウイグル族が大半だが、カザフスタン人らも収容されている。カナダの中国人留学生が衛星写真を分析した結果、同地域には収容所とみられる施設が59カ所あるという。

11月までに大紀元(英語版)の取材に応じた元収容者のカザフ人の男性は、施設内では拷問や、女性たちへの強姦が頻発していると明かした。男性はカザフ政府の働きかけで出所することができた。

2015年の国家人口統計によると、新疆ウイグル自治区の総人口は2300万人で、ウイグル族は1100万人。ドイツ拠点の世界ウイグル会議代表によると、収容者数は100万~150万人と推計している。新疆ウイグル自治区政府当局は収容所を「職業訓練施設」と称しているが、実際の収容者数は公表していない。

(翻訳編集・佐渡道世)

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