GettyImages

【中国語豆知識】仏教用語と現代表現の“我慢”

①「【我慢】な彼は…外部(うはべ)では強ひて勝手にしろといふ風を装った。」(道草)

②「然しひもじいのと寒いのにはどうしても【我慢】が出来ん。」(吾輩は猫である)

夏目漱石の筆になるこの二つの「我慢」、どうも意味が違うようです。

仏教では、自己に執着する自我意識から起こる心や、人を侮る思い上がりの心を「慢」と呼びました。(現代日本語の「慢心」「傲慢」にその名残りが見られます)そして、それをさらに「慢、過慢、慢過慢、我慢、増上慢、卑慢、邪慢」の七つに分けて「七慢」と呼び、「我慢」はその一つです。『正法眼蔵・仏性』に次のような例が見られます。「汝仏性を見んとおもはば、先づすべからく我慢を除くべし」。

そのうち、「思い上がりの心」義が転じて、我意を張り、強情であるさまを表すようになりました。①の「我慢」がそれです。私は幼いころとても強情で、親からよく「我慢な子やな」と叱られていました。ただ、現代語の標準語としては「強情」義の「我慢」は古風な言い方のようですので、現代語としてはその地方の方言だったのかもしれませんが。

▶ 続きを読む
関連記事
イワシの栄養、健康効果、吸収を高める食べ方、保存法、注意点までを網羅。心臓・骨・脳を支える小さな魚の力を分かりやすく解説します。
「悪夢の細菌」が460%急増――CDCの警告は、遠い国の話ではありません。抗生物質が効かない時代が目前に迫る今、私たちの医療と命に何が起きているのか。その本質と身近な影響を解説します。
認知症治療で気になる薬の副作用。実は初期から鍼灸や中医学を併用することで、記憶力の維持や進行の緩和が期待できるといいます。症例とともに、その考え方と可能性を分かりやすく紹介します。
「かわいいおもちゃ」の中に潜むAIの危険性とは。専門家や擁護団体が警告する、依存・不適切発言・プライバシー侵害の実態を解説。子どもを守るために親が知っておくべき最新リスクを紹介します。
退職後に子どもと同居する家庭が増えています。節約や助け合いの一方で、衝突や不満も起こりがち。本記事では、多世代同居のメリットと落とし穴、円満に暮らすための具体的な準備と心構えを分かりやすく解説します。