「百忍」をもって 一族が九代も同居
麟徳二年(665年)の冬十月、唐高宗は泰山へ封禅の儀を行いに行く途中、寿張県(中国河南省濮陽市台前県)を通り掛かりました。張公藝という長寿の老人がその子孫と九代にわたって仲良く同居していることを聞いた高宗は、張公藝を訪ねました。高宗は張公藝に「なぜ、一族がこのように睦まじく九代も同居できるのか」と聞きました。
張公藝は最初何も言わずに、筆と紙を出し、紙に「忍」の字を百余り書きました。そして、張公藝は唐高宗に「父子の間に忍が無ければ、慈悲と孝行の心が失われる。兄弟の間に忍が無ければ、よその人に欺かれる。兄弟の妻の間に忍が無ければ、兄弟たちがばらばらになるだろう。姑と嫁の間に忍が無ければ、親孝行をする心が失われるだろう。……」と説明しました。つまり、お互いに責めるのではなく、忍ぶことで家族が仲良くなり、幸せに暮らせるのだということです。
これを聞いて非常に感動した唐高宗はその場で、張公藝に酔郷侯という爵位を与え、張公藝の息子である張希達を司儀大夫に抜擢しました。同時に、高宗は百忍義門の建設を命じ、高宗は自ら「百忍義門」という四文字を書き上げました。張公藝が亡くなってから、子孫はこの「忍」と「孝」を謳うことを主張し、平和で幸せな家庭を築き上げた賢明な先祖を記念する為に、彼を祭る「百忍堂」を建てました。
関連記事
抜け毛や白髪は年齢だけの問題ではないかもしれません。中医学では、髪の状態は「腎のエネルギー」と深く関係すると考えられています。下半身の簡単なストレッチが、髪の健康を支えるヒントになる可能性も。
髪は見た目以上に多くを語ります。ストレスや栄養状態、環境曝露まで記録する“健康の履歴書”としての可能性と限界を、最新研究と専門家の視点から読み解く注目記事です。
「少量なら大丈夫」は本当?240万人を分析した最新研究が、わずかな飲酒でも認知症リスクが高まる可能性を示唆。脳の健康とお酒の付き合い方を見直すきっかけになる一記事です。
「忙しい=充実」と思っていませんか。最新の研究と実体験から、過度な忙しさが心身や人間関係に及ぼす見えない代償を解説。立ち止まることの本当の価値を考えさせられる一編です。
透析は命を救う治療だが、腎臓が本来持つ「回復力」を見えにくくしてしまうこともある。必要な時だけ透析を行う新たな治療法で、回復率が高まったという研究と、透析を離脱できた女性の実体験。