中国統一戦線組織の中国人民政治協商会議(政協)年次総会が3月11~13日に開かれ、出席する中国ネット検索大手・百度(Baidu)の創業者でCEOの李彦宏(Robin Li)氏(GREG BAKER/AFP/Getty Images)

中国百度CEO、海外SNS締め出しを「政府に聞いて」ネットユーザーが反論

全国人民代表大会(国会相当)に合わせて開催された中国人民政治協商会議(政協)年次総会が3月13日に閉幕した。同会議に出席した中国ネット検索大手・百度の創業者で最高経営責任者(CEO)の李彦宏(Robin Li)氏は記者の囲み取材で、中国のネット環境に開放性があり、競争力の向上を語りながらも、当局がグーグルやフェイスブックの中国市場参入を許可しないことについて「中国政府に聞いてほしい」と明言を避けた。

李CEOは米政府系ボイス・オブ・アメリカの取材に対して答えた。

「私が見たデータでは、2018年中国から米国への投資は前年比70%も減少した」と現在の米国への投資環境に不満を述べた。また、李CEOは、中国企業が投資する際は多くの「不確実性のある」審査を経なければならず、自身の企業買収も躊躇していると述べた。「(米中)双方の担当者が妥協点を探り解決できることを望んでいる」とした。

いっぽう、VOA記者は、李CEOに米中の相互市場開放について質問した。具体的にはグーグルやツイッター、フェイスブックなど米大手SNSを中国ネット市場へ参入を許可し、ネットユーザーに選択の余地を与えるかどうかを尋ねた。

すると「それは中国政府に尋ねるべき。私は決定的な意見を持っていない」と明言を避けた。記者はさらに、中国を代表する一大手企業のトップとして、李CEOに相互市場開放性が中国経済の発展に適しているのかどうかを聞いた。

李CEOは「公正な環境を望んでいる。政府はルールを制定しているのみだ。中国企業であろうと外国企業であろうと誰でも同じルールに従う限り、発展のチャンスがある」と答えた。

同発言にツイッターユーザーから反論が寄せられた。

「あなたは人民代表(国会議員)じゃないの?人民を代表して政府を監督する立場なのになぜ政府に聞く必要があるのか」

「ルール?それは外国企業が負けるようなルールに決まっている」

「ウーバーは中国に進出したけど、(配車アプリの)滴滴出行に勝てるか?同じく中国に上陸したアマゾンは淘宝に勝てたのか?WhatsAppだってウィーチャットに負けている。グーグルが中国に再進出しても百度に負けるに決まっている」

「(李氏がCEOを務める)百度がなければグーグルが締め出されることもないだろう」

「彼はルールに従うことが前提だと言っている。ルール、分かるだろう?中国のルールだぞ」

(編集・佐渡道世)

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