米国務長官、中国やファーフェイへの対応巡り英国に注文

[ロンドン 8日 ロイター] – ポンペオ米国務長官は8日、訪問先の英国で演説し、英政府は中国や中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)への対応を見直す必要があると訴えた。中国はソ連がかつてそうだったように、西側諸国への脅威になっているとの認識を示した。

「鉄の女」として知られたサッチャー元英首相ならより強硬な姿勢を取っていたと指摘し、メイ現政権に対中姿勢の転換を促した。

英国は前月、ファーウェイの次世代通信網「5G」構築への参入を限定的に容認する方針を示している。

ポンペオ氏は米英の「特別な関係」に関する演説で、サッチャー氏が故ブッシュ元米大統領に語りかけた有名な表現を言い換えて「われわれは今、どちらも揺らぐべきではない」と訴えた。「中国はわれわれに新しい課題を提起している。独裁的な政権だが、ソ連とは全く異なる形で西側諸国と経済的な融合を果たした」と述べた。

「自問してほしい。中国が汚職や強要によって各国の主権を侵害するとき、『鉄の女』は沈黙するだろうか」と指摘。「安全性が不十分な状態なら、米国は信頼するネットワーク内で一定の情報を共有しにくくなるだろう。西側陣営を分断するこの状況を中国はまさに望んでいる」と述べた。

中国政府はファーウェイや中国の同業ZTEのシステムを通じてデータにアクセスすることを正面切って求めるだろうが、サイバースペースで重大な違反行為を行ってきた中国にアクセスを認めるべきではないとの考えを示した。

5Gネットワーク構築についての判断は各国の主権に委ねられているが、「広範で戦略的な背景を踏まえて決定すべき」とした。

演説でポンペオ氏はまた、ロシア産天然ガスをドイツに送るパイプライン建設計画「ノルドストリーム2」を進めることは認めるべきではないとの見解を示した。

ポンペオ氏はロンドンでメイ首相とハント外相と会談した。

イランがこの日、2015年の核合意の履行を一部停止すると表明したことについては、ポンペオ氏は記者団に、イランの行動を見極め対応策を決定すると述べた。英国には、米国の核合意離脱に憤るイランの政権を安心させるのではなく、同政権の無法状態に対処するため、米国に味方するよう訴えた。

また、トランプ大統領は英国と新たな自由貿易協定(FTA)を締結することに意欲的で、これにより2国間の通商関係は「限りのない高みに押し上げられることになる」と強調した。

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