ローマ法王、欧州の結束呼びかけ

[法王専用機中 2日 ロイター] – ローマ法王フランシスコは2日、欧州の結束と、連合としての欧州の創設者が抱いた理想の復活を呼びかけるとともに、イデオロギーと、恐怖を利用する政治家は連合としての欧州の存続自体を脅かしていると力説した。

ルーマニアからの帰国途上、専用機内で記者団に語ったもので、先月の欧州議会選以来初めての発言となった。

法王は、イタリアや英国、フランス、ポーランドで極右やナショナリスト政党が躍進した議会選の結果などについて質問され、信者には欧州の結束のために祈るよう求め、信者でない人々には「心の底から」それを望むよう求めた。

法王は、「欧州が将来の課題を慎重に見極めなければ枯渇してしまうだろう。欧州は『母なる欧州』であることをやめ、年をとって『祖母なる欧州』となりつつある。ともに働くという目的を失ってしまった」と述べた。

法王は、移民問題でしばしば衝突しているイタリアの右派「同盟」党首のサルビーニ副首相については名指しの批判を避け、謁見の依頼がないためまだ会っていないと述べた。

また、イタリアの政治を理解するのはほぼ不可能として、自らの発言はイタリアに特化したものでなく、欧州全体に対するものと受け止められるべきと強調した

さらに、第一次・第二次大戦に向かっていた時代に欧州大陸が分裂し、好戦的であった様子を思い出すよう呼びかけるとともに、「そこに回帰しないようにしてほしい。歴史から学び、同じ轍を踏まないようにしよう」と語りかけた。

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