pixabay

中国版「シンデレラ」の物語

「シンデレラ」のお話は誰もが知っている有名な童話の一つで、二次創作物だけでもオペラが12種、バレエが7種、ミュージカルが12種、映画は49種もあります。各国でも昔からシンデレラ型のお話が残されていますが、中国唐の時代(約803年~63年)の小説『酉陽雑俎(ゆうようざっそ)』の続集巻一に収録された小説『葉限(しょうげん)』にも似たような継子(ままこ)話が見られます。

『酉陽雑俎』で登場する「シンデレラ」は葉限、秦漢の時代中国の南の果ての洞穴に住む一族の首領、呉の娘でした。葉限は美しくて賢く、小さい頃から銅器なども作り、呉は彼女をとても愛おしんでいました。葉限の母が死んだ後、葉限は継母に託されましたが、呉が死ぬと継母は葉限を苛め、朝夕険しい山へ薪取りに行かせたり、深い谷川へ水汲みに行かせたりしました。

あるとき、葉限は谷川で目が金色の魚を捕まえました。かわいく思い家に持って帰り、自分の食事を残して魚に与えてこっそり育てました。魚は日に日に大きくなり、何度容器を取り換えても追いつかないので、家の裏の池に放しました。魚は彼女にとてもなついて、彼女が行くとさっと頭をのぞかせましたが、彼女以外の者の前には姿を現しませんでした。

▶ 続きを読む
関連記事
抗生物質だけでなく、身近な薬も腸内細菌に影響する可能性がある――。中医学では胃腸を「土」にたとえ、体を育てる基盤と考えてきました。腸の乱れを別の角度から見直すヒントです。
むずむず脚症候群はパーキンソン病リスクと関連する一方、治療薬が発症を抑える可能性も示されました。最新研究が明かす両疾患の意外な関係と、正確な診断の重要性を解説します。
冬になると腰や膝が冷え、関節が動かしにくくなる――。中医学では、こうした不調は体の内側の冷えと関係すると考えられています。かぼちゃと小豆の「いとこ煮」は、巡りを整える養生食として親しまれてきました。
透析患者の命を脅かす心筋梗塞リスクを、魚油が大きく下げる可能性が示されました。大規模臨床試験が明らかにしたオメガ3の効果と注意点を解説する注目の研究報告です。
抜け毛や白髪は年齢だけの問題ではないかもしれません。中医学では、髪の状態は「腎のエネルギー」と深く関係すると考えられています。下半身の簡単なストレッチが、髪の健康を支えるヒントになる可能性も。