このほど発表された、国防総省情報局の報告によると、中国共産党は海外で浸透工作を仕掛けており、米国、台湾、そして日本で顕著であるという(Feng Li/Getty Images)

米国防省報告、中国の対日浸透工作に言及 「日中友好を掲げた政治戦争」

このほど発表された、米国防省情報局(DIA)の報告によると、中国共産党は海外で浸透工作を仕掛けており、米国、台湾、そして日本で顕著であるという。報告書はこれを「政治戦争」と表現している。

2019年1月の同報告によると「政治戦争」とは、中国共産党の勝利のために外国政府の決定や社会の考え方、信念、行動に影響を与える機密の浸透工作。たとえば政府、メディア報道、学術研究論文が対象となり、共産党に融和的で、脆弱な防衛体制を作ることを目的とする。「統一戦線」はその部隊となる。

米シンクタンク・ジェームスタウン財団は、東京大学アジア先進研究所客員教授のラッセル・ヒョウ氏の分析として、政治戦争の重要な要素は、社会の決定権を握る政治エリートに対する浸透工作だと伝えている。ヒョウ氏によると、日本の政治体制のなかで、もっとも強い親中派は自由民主党の田中・竹下内閣だった。しかし、日本の政治は、彼らの影響力を抑止する対策に長らく取り組んでいない。

▶ 続きを読む
関連記事
カナダ初の「外国影響力登録制度」が施行された。外国政府などを代表して政策決定や政治活動に影響を及ぼす個人・組織に登録を義務付け、違反には最高100万カナダドルの罰金が科される
カナダ国籍の中国系女性を、NATO欧州連合軍最高司令部は第三国のためにスパイ活動を行った疑いで拘束した。過去の就職申請で確認していた不正行為と、カナダの安全審査制度の問題点を探る
中国共産党(中共)が人工知能(AI)を通じて自国の技術基盤や規格を海外に広げる動きについて、米シンクタンクのハドソン研究所は、各国を中国の技術体系に依存させる「技術のわな」を生む可能性があると警告した。一帯一路がもたらしたとされる「債務のわな」よりも深刻な結果につながりかねないとの見方である
カナダ安全情報局は、10月17日の地方選挙を前に、リッチモンド市長と市議会議員全員へ非公開の説明会を開き、中共による候補者への接触や中国系有権者を狙った影響力工作の恐れを警告した
南シナ海をめぐる中国とフィリピンの対立が、学術や教育分野にも波及している。フィリピン国防省は、外国政府が支援する学術・文化事業への審査を強化し、中国共産党による認知戦や影響工作への警戒を示した