香港を支持、「一国二制度」揺らいではならない=英前外相

[レディング(英国) 3日 ロイター] – 英国の次期首相最有力候補のジョンソン前外相は「逃亡犯条例」改正案に対する抗議が続いている香港について、香港の人々を支持しているとし、香港が英国から中国に返還された後も高度な自治が保障される「一国二制度」が揺らぐことがあってはならないとの考えを示した。

香港では中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に反対するデモが行われ、香港が中国に返還された記念日に当たる1日には一部が暴徒化、議会に当たる立法府に突入した。英国はこれまでも中国に対し自由を尊重するよう繰り返し呼び掛けている。

ジョンソン氏はロイターのインタビューに対し、「香港の人々を支持しており、彼らのために喜んで声を上げたい」とし、「中国に対し、『一国二制度』はこれまでも機能してきたが、現在も機能しており、これが揺らぐことがあってはならないと強調したい」と述べた。

英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)については、EUと条件などで合意が得られなかったとしても、英議会が合意なき離脱を阻止するとは考えていないと指摘。「英国とEUの双方が支持する理性的なブレグジットを望んでいる」としながらも、「10月31日までに離脱する必要がある」とし、「保守党が政治的な絶滅に直面している可能性があることを忘れてはならない。期日までに実施しなければ、われわれは極めて困難な状況に置かれる」と述べた。

通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL] などに関連して複雑化している中国との関係については、英国は中国企業を歓迎するとしながらも、「英国が重要な国家安全保障を巡るインフラを危険にさらすようなことはしないと心得る必要がある」とし、自身が首相に就任した場合、「機密情報共有を巡る『ファイブ・アイズ』協定を結んでいるパートナー国と英国の情報機関が情報を共有する能力を危険にさらすことは一切しない」と述べた。

このほかイランについては、2015年の核合意を破棄した場合、「深刻な誤り」になると指摘。「イラン核合意は著しく脆弱になっており、イランの破壊的な行動を制するための方策を考える必要がある」としながらも、「イランに対し核兵器保有の断念を呼び掛け続けることが正しい道であるとの考えは変えていない」と述べた。

ジョンソン氏はハント外相とメイ首相の後継争いをしており、約16万人の保守党員による投票を経て7月23日に新首相が発表される。

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