米大手3行、第2四半期利益予想超え 金利低下で収益圧迫リスクも

[16日 ロイター] – 米大手銀3行が16日に公表した第2・四半期決算は利益が予想を上回った。ただ、金利低下に伴う利益圧迫が先行き最大のリスク要因とされ、兆候はすでに表れ始めている。

JPモルガン・チェース<JPM.N>とウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ)<WFC.N>は、いずれも純金利マージンが低下した。

JPモルガンは通年の純金利収入見通しを約575億ドルとし、2月推計(580億ドル超)から引き下げた。

ゴールドマン・サックス・グループ<GS.N>はフィクストインカム事業の純利益が13%減少した。債券などの金利商品や通貨の取引が低調だった。

米連邦準備理事会(FRB)が今月利下げに踏み切れば、各行のマージンが圧迫される恐れがあると、投資家らは懸念する。

ゴールドマンは、主要4部門中3部門が減収となった。トレーディングを含む機関投資家向け事業は3%減収、投資銀行部門は9%減収となった。

<堅調な消費者向け事業など明るさも>

JPモルガンは平均ローンが2%、クレジットカードローンも8%それぞれ増加した。Wファーゴはデビットとクレジットカードの購入規模が各6%伸び、消費者が引き続き自信を抱き、支出を拡大していることを示した。

ゴールドマンの株式トレーディング収入は6%増の20億ドルで、この4年で2番目に高い水準となった。キャッシュ商品やデリバティブ(金融商品)を中心に顧客のトレーディング活動が活発化した。

JPモルガンのダイモン最高経営責任者(CEO)は「健全な水準の信頼感、堅調な雇用創出、賃金の上昇を背景に、米消費者にプラスの勢いが見られ、われわれのコンシューマー・コミュニティー・バンキング部門の業績はそれを裏付けている」とし、米経済情勢に対する強気な見方を維持した。

JPモルガンは、純利益が前年同期比16%増の96億5000万ドルで過去最高益となった。税制上の恩恵を除く1株利益は2.59ドル。純収入は4%増の295億7000万ドル。

リフィニティブのまとめたアナリスト予想は1株利益が2.50ドル、収入が289億ドルだった。

利益率の指標となる有形自己資本利益率(ROTCE)は20%と、前四半期の19%から上昇し、目標の17%を上回った。

Wファーゴは、普通株主帰属の純利益が58億5000万ドル(1株当たり1.30ドル)と、前年同期の47億9000万ドル(同0.98ドル)から増加した。1株利益のアナリスト予想は1.15ドルだった。

総費用は4%減の134億ドル、総融資は0.6%増の9498億8000万ドル。

ゴールドマンは、普通株主帰属の純利益が前年同期比6%減の22億ドル(1株当たり5.81ドル)。純収入は2%減の94億6000万ドル。

アナリスト予想は1株利益が4.89ドル、収入は88億3000万ドルだった。

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