米、F35の生産体制でトルコ除外 ロシア製ミサイル導入で

[ワシントン 17日 ロイター] – 米ホワイトハウスは17日、最新鋭ステルス戦闘機「F35」の生産などでトルコを関与させることを止めると発表した。トルコがロシア製ミサイル防衛システム「S400」の導入を開始したことを受けた措置。

エレン・ロード国防次官は会見で、米国とF35の生産プログラムに加わっているパートナーは、この決定で見解が一致しているとし、トルコは約900種類のF35部品を製造しているが、今後トルコからの調達を止め、サプライチェーンを主に米国に移すと説明した。

「この決定によりトルコは明らかに、そして残念なことに雇用や将来の経済的機会を失う」と述べた。

国防総省は、トルコ人のパイロットのF35の操縦訓練も打ち切る計画で、ロード国防次官は、F35のパイロットとスタッフは7月31日までに米国から出国する計画だと説明した。

さらに、米国はトルコに100機のF35を売却することで合意していたが、これを凍結する。

キャピタル・アルファ・パートナーズのアナリスト、バイロン・カラン氏は、恐らく、今後約10年で毎年8─12機の引き渡しが予定されていたとの見方を示した上で、ロッキード・マーチン<LMT.N>や国防総省は、納入計画の変更に対応できるとの見方を示した。

ロッキード・マーチンの広報担当者は、ここ数カ月、米国内で別の調達先をすぐに確保できるよう調整していたとコメントした。

国防総省の高官によると、米国はルーマニア、ギリシャ、ポーランドなど5カ国へのF35売却を検討している。

国防総省の発表を受けてトルコ外務省は、米国との戦略的関係を修復不可能な状態にする過ちで、米国が取り止めることを願っていると声明を発表した。

F35は北大西洋条約機構(NATO)加盟国や他の米国同盟国が配備している。米国は、トルコがF35とS400両方を配備すれば、F35の情報がロシア側に流れると懸念している。

NATOのストルテンベルグ事務総長は、F35プログラムからのトルコ除外への懸念を表明。S400はNATOが共有するミサイル防衛システムの一部となることはできないが、トルコは引き続きNATOのシステムの一部となる航空機やレーダーを保有していると語った。

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