チェコのファーウェイ子会社、顧客情報を中国大使館に提供=地元メディア
チェコメディアはこのほど、同国にある中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)子会社の社員が定期的に顧客の個人情報を収集し、駐チェコ中国大使館に提供していると報道した。米政府は今まで、ファーウェイは中国の情報機関で、中国当局のために諜報活動を行っていると警告してきた。
チェコ放送・ラジオジャーナル(Český rozhlas Radiožurnál)22日付によると、チェコのファーウェイ子会社の社員は、政府関係者やビジネスマンを含む取引関係にある顧客の個人情報を密かに収集しているという。情報はファーウェイ本部の内部システムに転送された後、駐チェコ中国大使館に提供される。
ファーウェイは事実関係を否定した。しかし、同子会社で数年勤務した元幹部らは、チェコ放送・ラジオジャーナルに対して証言を行った。一人の幹部は、「商業情報のほか、個人顧客の趣味、財務状況などプライバシーに関する情報もターゲットとなっている」と話した。
もう一人の元幹部は在職中、ファーウェイの招きで中国で開催される関連会議に出席したり、旅行で中国を訪れたりするチェコの公務員の情報を集めていた、と証言した
報道は、同社社員と中国大使館関係者が面会し、顧客の情報について話し合うこともあったと言及した。
いっぽう、チェコ情報機関担当者は、ファーウェイ社員の動きは掴んでいると述べた。
チェコ国家サイバー情報セキュリティ局(National Cyber and Information Security Agency:NCISA)は昨年12月、ファーウェイおよび中興通訊(ZTE)の製品の使用は国家安全保障に脅威を与えると警告した。
チェコ国防省は今年始め、職員に対して、使用中のファーウェイ製スマホに搭載されているアプリ「AirWatch」を削除するようにと通知した。国防省は理由を明らかにしなかった。AirWatchとは、企業で利用する全てのモバイル端末およびその端末で使うアプリケーションからEメール、ファイルの管理までを一元的に管理するサービス。
(翻訳編集・張哲)