2009年、新疆ウイグル自治区ウルムチで、中国兵士が横切るのを見つめる少年(Guang Niu/Getty Images)

新疆の収容施設に漢民族や陳情者、法輪功学習者も 元収監者が明かす

中国からの脱出に成功した新疆ウイグル自治区の元収監者数人は、「再教育施設」「職業訓練センター」などの拘留施設の内部について海外メディアに明かした。彼らによると、収容所には漢民族も含む法輪功学習者がいたという。新疆には約100万人の少数民族が抑留施設にいるとされる。

米政府系メディア、ラジオ・フリー・アジア(RFA)は7月31日、新疆ウイグル自治区の施設で拘留されていた2人の体験を伝えた。

2017年7月16日、カザフスタンに居住権をもつ中国籍女性グルジラ・アウエルカーン(Gulzira Auelkhan)さんは、2人の娘とともにカザフから新疆に渡ったところ、中国国境で拘束された。3日後に「再教育キャンプ」に送られ、19カ月拘禁された。彼女によると、拘束理由は「中国語が話せなかったため」だという。釈放されるまで、収容先で単純労働を強いられた。

カザフスタンの人権団体は、中国当局にグルジラさんを解放するよう圧力をかけた。彼女は2019年初めに中国を離れることができ、カザフスタンで夫と再会した。しかし、2人の娘はまだ新疆ウイグル自治区に残されている。

グルジラさんはRFAに対して、拘禁中は毎日制服を着なければならず、中国語の学習を受けたという。拘禁の半年後、彼女は内容物の説明のない薬物注射を強制的に打たれた。長い髪は切り落とされた。「再教育キャンプ」は、軍の野営地のようだと説明した。

グルジラさんは収容所に、ウイグル族、カザフ族、キルギス族、フイ族、タタール族、漢民族の法輪功学習者もいたことを明らかにした。収容される前、施設には800人いると聞いていたが、実際は1800人が拘留されていたという。

彼女は2人の漢民族と接触した。1人は若者で、もう1人は高齢者だという。収容施設のルールでは、各グループで3人以上が会話のために集まることは禁止されている。

もう一人の元収監者、新疆ウイグル自治区アルタイ市出身の漢民族の男性は、匿名性でRFAにその経験を語った。

2018年夏、警察が訪れ、売っていた民族工芸品を理由に難癖を付けられて、警察署に連行された。尋問され、三日三晩連続、両腕を後ろに回し縛られ鉄製の椅子に座り続ける「トラの椅子」と呼ばれる拷問を受けた。夜は深夜2時まで寝ることが許されなかった。目を覚ますとすぐに「トラの椅子に縛られた。警察は、どうやって民族工芸品を入手したのか、なぜ海外旅行したかを尋問し続けた。警察はまた、家族を「再教育キャンプ」に入所させると脅したという。

尋問の後、警察は彼をアルタイ市内の人民病院に連れて行き、腹部と胸部の超音波検査、尿検査、心電図検査、採血をした。彼は1カ月近く連日の拷問を受けたという。この間、何度も意識を失い、絶命の危機に瀕した。最終的に、警察署からアルタイ市内にある「再教育キャンプ」に移送された。

彼は、拘留施設に約1年間収容された。その間、30人以上の漢民族と会ったという。施設には宗教信者、陳情者が含まれていた。また、全員が医療診断を強制されていたという。

台湾のオンラインメディアも最近、解放されたカザフ系ウイグル人のヤール・カリー(Yar Khali)さんの話を伝えた。彼が2017年9月、カザフスタンから新疆に入ると、突如として逮捕された。理由は、カザフスタンへの渡航、イスラム教の習慣、携帯電話に米企業開発チャットアプリ・ワッツアップ(WhatsApp)をダウンロードしていたことなどだという。彼は罪を認めなかったが、400日以上の収容が決まり、「再教育キャンプ」に送られた。収容先で高圧電気棒での殴打、暴行を受け、数日間食事を与えられなかった。

カリーさんは台湾メディアに対して、これらの収容体験から、中国共産党の主張するいわゆる「過激主義との闘い」が嘘だと理解したという。

カリーさんは、収容所の拘留先で法輪功学習者、クリスチャンおよび漢民族を見たという。「あの再教育キャンプの真実がすべての人に知られるようになれば、さまざまな民族グループや信仰者が中国の共産主義体制と闘うために団結するだろう」と述べた。「中国共産党体制はあらゆる市民、あらゆる宗教を迫害しているからだ」

(翻訳編集・佐渡道世)

関連記事
中国では資本逃避が続き、2024年には2540億ドルに達した。政府の厳しい規制や経済的問題、さらに台湾問題が資本流出を加速させている。政府の短期的な刺激策も信頼回復には不十分で、今後も資本流出と投資低迷が予想される
中国で病院倒産相次ぐ...「いまは定年まで働けるかの問題だけではない、私が定年するまで職場がまだあるかどうかの問題もある」が流行語? 給料が払えないのら、もっと早く倒産させるべきだった。金に執着すると、同じように多くの人々が苦しむのだ。また、稼ごうと思って、左目の手術のついでに健康な右目を手術するのはやめてくれ。
マンホール蓋開けっ放しで安全標識なく、作業員は遠くで携帯いじり?中国で相次ぐマンホール転落、小学生が死亡。「自分さえよければ他人がどづなろうと、知ったこちゃない」と考える人が多いのは、中共の教育のせいだ。すこし考えればすぐにわかるリスクだ、それを放っておくことができるのは洗脳された木偶の坊だけだ。次に起こりえる危険が自分に及べば反応するだろうが、他人のことは考えられないというのは,PCより, 知能が劣るだろう。
中国西安の西北大学で、学生が「マルクス主義原理」の授業中に「馬鹿げた理論」と批判し、共産党員でないと宣言。多くの学生が授業に無関心で、ネットでも大きな話題に。
「誰かが精神的に突然キレて凶悪犯に豹変しないよう、自分の言行を慎もう」と多くのユーザーが冷や汗かく、元マンション警備員による住民一家殺傷事件。邪気の素は中共だ。民衆は皆、毒されている。解毒をしなければ、人生は最低となる。