コンゴのエボラ熱治療薬試験、2種類が最高生存率90%と好結果

[ロンドン 12日 ロイター] – コンゴ民主共和国(旧ザイール)で実施されているエボラ出血熱治療薬の臨床試験で、4種類のうち2種類は生存率が最高でほぼ90%に達したことが確認された。科学者らは、エボラウイルス感染に対する最初の効果的な療法の発見に一歩近づいたとしている。

この2種類は米製薬リジェネロン・ファーマシューティカルズ<REGN.O>が開発する「REGN─EB3」と「mAb114」。米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)によると、両薬ともにコンゴの全患者に提供されるという。

他の2種類は米マップ・バイオファーマシューティカルの「Zマップ」と米ギリアド・サイエンシズ<GILD.O>の「レムデシビル」だが、この先の試験からは外される。

試験でZマップとレムデシビルの投与を受けた患者の死亡率はそれぞれ49%と53%。これに対し、REGN-EB3とmAb114の投与を受けた患者ではそれぞれ29%と34%だった。また検出された血中のウイルスの水準が低い患者の場合、REGN-EB3とmAb114の投与を受けた患者の生存率はそれぞれ94%と89%に上った半面、レムデシビルとZマップは約66%と75%にとどまった。

この試験は昨年11月から、世界保健機関(WHO)の調整で結成された国際的な研究グループが行っている。

エボラ出血熱は昨年8月にコンゴ東部で発生して以来、感染が拡大しており、これまでに少なくとも1800人が死亡した。

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