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1万5000人に1人の難病に負けない赤ちゃん

オスカー・ランガムは身体の多くの部分が赤い湿疹で覆われた状態で産まれてきました。赤ちゃんの湿疹は珍しいことではなく、海外ではベイビーアクネ(Baby acne)と呼ばれています。

彼女の母であるステフ・ウェブスターはイギリス新聞のデイリーテレグラフにて、当時、こう語っています。「初めのうちはそんなに気にしていませんでした。小さい子にはよくある症状と思っていましたから。ですが助産師さんが彼を見たとき、もしかすると問題があるかもしれない、と教えてくれたのです」

それから数週間が経ちましたが湿疹は治らず、治る傾向も見られませんでした。オスカーの両親は自分たちが思っているより深刻な病気なのではないかと心配になりました。

実はオスカーの肌に発症していた湿疹は1万5000人に1人しか発症しない、とても珍しい病気でした。病名を組織球増殖症といい、まだ研究が進んでいない病気だそうです。

ロイヤル・ストーク・ユニバーシティ病院に勤めるサラ・トンプソンはオスカーの免疫系が肌に異常を起こしていると説明し、科学療法とステロイドによる治療を行いましたが一向に状態は良くなりませんでした。

この珍しい病気は、研究が進んでいない為、情報が少なくオスカーの両親はとても心配でした。母親のステフはデイリーメールにこう語っています。「湿疹は身体全体に広がり続けました。舌や目にまで及んだのです。彼の身体の中で何が起こっているのか本当に心配でした」

また両親は他の人がオスカーを見たときに水痘や伝染病と疑い彼に近づきたがらないのではないか、といった心配もありました。

当時の様子をステフはこう語っています。「道で会う多くの人にオスカーの湿疹をじっと見られ、指をさされたりもしました。また病気が移ると勘違いされ、誰も彼に近づきたがりませんでした。一番悲しかった出来事はオスカーを連れてショッピングモールに行った時、彼を見た周りの人が慌てて離れていったことです」

またステフは続けてこのように語っています。「ですが周りのことを気にし過ぎていては外に出ることが出来なくなります。なのでそういった事を気にしないようにしました」

オスカーの両親は彼の為、常に一番良い治療法を探していました。また両親は彼が幸せで健康なのであれば、どのような見た目でも構わない、と感じていました。

それから何年か経ち、両親のおかげでオスカーは健康に育っていきました。湿疹にも負けず、両親と幸せな時間を過ごし、学校も行き始めました。医者の手助けもあり、完全にではないですが湿疹を減らすこともできました。

組織球増殖症についての研究は今でも続いています。オスカーの母であるステフは彼女のように子供の難病に悩む親にこのようにアドバイスしています。

「治療に時間のかかる子供がいて、周りの人に冷たい目で見られることや嫌なことを言われることもあるかもしれません。ですが考えてみてください、このようなことは彼らにも起こりうることなのです」

 

(大紀元日本ウェブ編集部)

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