小泉氏など初入閣13人、後継意識した再改造 憲法改正へ側近重用

[東京 11日 ロイター] – 安倍晋三首相が11日に行った内閣改造は、麻生太郎副総理兼財務・金融担当相と菅官房長官を留任させて政権の骨格を維持する一方、環境相に小泉進次郎元復興政務官を起用するなど、後継の育成も意識した布陣となった。初入閣は13人。側近を重用し、党・内閣一体で憲法改正に向かう態勢を整えたかたちだ。

今回の改造の目玉とも言えるのが環境相への小泉氏起用だが、ほかに「ポスト安倍」と目される茂木敏充経済財政・再生相を外相に、河野太郎外相を防衛相にそれぞれ横滑りさせた。また、加藤勝信自民総務会長が再び厚労相として入閣。自民党役員人事でも、岸田文雄政調会長を続投させている。

全閣僚19人のうち、初入閣は13人で第2次安倍政権発足以降で最多。りそな銀行のアセットマネジメント部チーフ・エコノミストの黒瀬浩一氏は、初入閣が多く、「世代交代に向けた動きとも読めるが、これだけ長期政権化すると、ひずみも大きくなってくる。次の世代が担う課題は大きくなりそう」と指摘する。

後継育成の一方で、側近の重用も目立つ。首相に近い萩生田光一自民党幹事長代行を文部科学相に起用したほか、経済財政・再生相の後任には西村康稔官房副長官を充てた。

女性閣僚については、改造前から1人増やし、高市早苗元総務相を総務相に再起用するほか、橋本聖子前参院議員会長を五輪・女性活躍担当相に充てる。

新内閣は皇居での認証式を経て、正式に発足する。菅官房長官によると、安倍首相の記者会見は午後6時、初閣議は6時45分にそれぞれ行われる予定。

〈二階氏、改憲へ「党を挙げて努力」〉

自民党は、同日午前に臨時総務会を開き、二階俊博幹事長、岸田文雄政務調査会長ら新役員人事を正式に了承した。

二階・岸田両氏は留任。総務会長に鈴木俊一・五輪相、選挙対策委員長に下村博文氏をそれぞれ起用する。

森山裕国会対策委員長の再任が決まったほか、参院幹事長には世耕弘成経済産業相を、幹事長代行には稲田朋美筆頭副幹事長を充てる。

党本部で記者会見に臨んだ二階幹事長は、2021年9月に任期を迎える安倍首相の党総裁連続4選に関し、「安倍総裁が決意を固めたら、おそらく国民の意向に沿う形で党を挙げて支援したい」との考えを示した。

安倍首相が意欲を示す憲法改正に関しては「総裁の意向に沿って、党を挙げて憲法改正に向けて努力を重ねていきたい」とした。

立教大学教授(社会学)の砂川浩慶氏は憲法改正について、「現実的には難しく、1度国民投票で否決されてしまえば二度と議論できなくなる可能性がある。このため憲法改正は衆院解散とセットで、来年のいずれかの時期になるのではないか」と指摘した。

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