トランプ米大統領、ウクライナに圧力かけたとの疑惑否定

[ワシントン/ニューヨーク 23日 ロイター] – トランプ米大統領は23日、来年の大統領選の民主党有力候補と目されているバイデン前副大統領を巡り、調査を行うようウクライナに圧力をかけたとの疑惑を否定した。

ニューヨークで記者団に対し、軍事支援と引き換えにバイデン氏と同氏の息子の汚職を調べるようウクライナのゼレンスキー大統領に圧力をかけた事実はないと述べた。

トランプ氏を巡っては、ゼレンスキー大統領との7月の電話会談の内容に関し、米国の内部告発者が問題点を提起。民主党議員の間では、弾劾が「唯一の解決策」との声も上がっている。

20日の複数の米メディア報道によると、トランプ大統領はゼレンスキー大統領に対し、バイデン氏の息子によるウクライナのエネルギー会社への関与を調査するよう繰り返し要請。トランプ大統領の顧問弁護士を務めるジュリアーニ氏も、バイデン氏と息子を調査するようウクライナ政府高官に促していたという。

トランプ大統領は22日、ゼレンスキー大統領との7月25日の電話会談でバイデン氏と同氏の息子について取り上げたことを認めている。

ゼレンスキー大統領との会話記録を公開することに関し、トランプ氏は「非常に興味深い電話だったため、公開するかもしれない」と述べる一方、外国首脳との会話記録公開という先例を作ることには、懸念があるとも指摘した。

弾劾の可能性については、真剣に捉えていないとして一蹴した。

こうした中で民主党は23日、ホワイトハウスにトランプ氏周辺とウクライナとの接触に関する資料の提出を求めた。

下院の情報、外交、監視・政府改革の各委員会は、ポンペオ国務長官に連名で書簡を送り「トランプ氏とその関係者が、大統領の再選に有利になるようウクライナ政府に不当に圧力をかけたとの報道に関連する資料」の提出を求めた。

共和党のマコネル上院院内総務は、上院情報委員会が米情報機関の活動の調整や情報共有を図るインテリジェンス・コミュニティーの監察官から内部告発について説明を受けるため、調整を行っていると明らかにした。上院側近によると、委員会への説明は今週中に行われる見通し。

トランプ大統領は、バイデン氏とその息子を「腐敗している」と非難した。

ウクライナ当局者はジュリアーニ氏と面会したことを認めたが、バイデン氏周辺の捜査を行う方針は示していない。

※内容を追加しました。

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