北朝鮮のミサイル発射は1発、2つに分離した可能性=官房長官

[東京 2日 ロイター] – 菅義偉官房長官は2日午前の会見で、北朝鮮が発射した弾道ミサイルは1発で、2つに分離した可能性が高いとの見解を示した。韓国青瓦台(大統領府)は潜水艦発射式弾道ミサイル(SLBM)実験の可能性があるとみて検証していると明らかにしたが、菅官房長官は「分析中」と述べるにとどめた。

菅官房長官はまた、日本の排他的経済水域(EEZ)内に着弾しており、断じて容認できず、北京の大使館ルートを通じ、厳重に抗議したと語った。

菅官房長官によると、北朝鮮は2日午前7時10分ごろ、同国東海岸付近から弾道ミサイルを発射。同7時27分ごろ、島根県・隠岐諸島沖合の日本のEEZ内に着弾した。船舶などへの被害は確認されていない。日本のEEZ内への北朝鮮ミサイルの着弾は、2017年11月29日以来。

当初、2発の弾道ミサイルが発射された可能性があるとしていたが、菅官房長官は情報を精査した結果、1発のミサイルが2つに分離した可能性があるとの見解を公表した。

また、飛行高度は約450キロ、飛行距離は約900キロと日本政府は推定しているとした。

菅官房長官は、今回のミサイル発射は国連安全保障理事会の決議に明確に違反しており、事前通告なしの発射は航空機や船舶などへの安全に対し、重大な脅威になると指摘。「断じて容認できず、北京の大使館ルートを通じ、厳重に抗議した」と述べた。

今回の発射に関し、北朝鮮にどのような意図があったのかとの質問には、その意図や目的について断定的に答えることは控えると述べた。

ただ、朝鮮半島の完全な非核化や、昨年6月の米朝首脳会談における合意内容の完全な履行に向け、日本として「しっかりと後押ししていく」との方針を示した。

また、日本人拉致問題の解決に向け、条件を付けずに日朝首脳会談を開催する方針に変わりはないと説明した。

一方、今回のミサイル発射を巡り、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)に基づく、情報のやり取りがあったのかとの質問には「韓国とは適切に連携しているが、情報共有の細部については控えたい」と話し、詳細への言及を避けた。

香港で1日、大規模なデモがあり、負傷者が多数出ていることに対し、菅官房長官は「大変、憂慮している」と述べるとともに、自制と平和的な話し合いによる解決を求める方針をあらためて表明。高い関心を持って見守っていくとの方針を示した。

(田巻一彦)

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