デジタル通貨、リスク対応導入まで認めるべきでない=G7作業部会

[ロンドン/ワシントン 17日 ロイター] – 主要7カ国(G7)の作業部会は17日、フェイスブック<FB.O>が主導するデジタル通貨「リブラ」を含む「ステーブルコイン」について、リスクへの対応が図られるまでは導入を認めるべきではないとの見解を示した。法定通貨と交換可能なリブラなどのデジタル通貨がもたらすリスクに警鐘を鳴らしたかたちだ。

ワシントンで18日から開かれる国際通貨基金(IMF)・世銀年次総会を前に、作業部会は報告書をまとめ、ステーブルコインが大々的に導入された場合、国際通貨システムや金融安定を脅かす可能性があると指摘した。

マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金の取り締まりに向けた国際的な取り組みを阻害し、サイバーセキュリティーや税制、プライバシーに関する問題を生じさせる可能性があるとも警告した。

法律や規制、監督上の課題やリスクへの対応が図られるまでは「国際的なステーブルコインのプロジェクトは始動すべきではない」とG7の見解を示した。

リブラを運営する「リブラ協会」は報告書を受け、リブラは通貨政策に関する国家の主権やマネロンなど違法な資金の流れに対する規制を尊重するよう設計されていると主張。デジタルの世界に関して既存の規制機関が講じている保護措置を阻害することはないとした。

G7の報告書は、ステーブルコインには資金決済やマネロン対策に関する既存の規則や資本市場と銀行に関する現行の基準を適用すべきだと主張。

また、新たなルールも必要になるかもしれないとし、金融安定理事会(FSB)が規制上の問題について検証し、来年4月に20カ国・地域(G20)に報告するとした。

フェイスブックはリブラについて、国際決済システムの非効率性を解消する狙いがあると説明している。国際決済システムは手数料が高く、送金に長い時間を要し、信頼性が欠如しているなどの問題があり、発展途上国を中心に人々が海外に送金するのを阻む要因となっている。

G7作業部会は、中銀や財務省などの当局は決済システムのこれらの脆弱性に対処する必要があると指摘。銀行のサービスが現在使えない人々が使えるようにするため、公的部門は取り組みを強化すべきだと訴えた。

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