謎の原油漂着、ベネズエラ産積んだギリシャ船から=ブラジル当局

[ブラジリア/アテネ 1日 ロイター] – ブラジル捜査当局は1日、2カ月前から同国沿岸に漂着している原油について、ベネズエラ産を輸送していたギリシャ船籍のタンカーから流出したものだと発表した。一方、船の運航会社は「何事もなく」航海を終えたとしている。

ロイターが閲覧したブラジル連邦警察の書類によると、ギリシャのデルタ・タンカーズ社所有の船が7月28─29日ごろ、ベネズエラのホセ港で原油を積み終えた後、ブラジル沖約700キロの海上で流出させた疑いがある。

デルタ・タンカーズによると、船は7月19日にベネズエラを出港。目的地のマレーシアのマラッカで「不足なくすべての積み荷を卸した」としている。同社は文書の中で、航海は「何事もなく」進んだとした上で、「連絡があれば」捜査に協力するとしている。

ブラジルの海岸には2500キロにわたって謎の原油が漂着。連邦警察によると、8月下旬から10月下旬にかけて9つの州に流れ着き、数百カ所のビーチが閉鎖、多くの生き物が犠牲になった。適切な装備を身につけずに油を除去しようとしたボランティアも体調を壊しているという。

ブラジルの法務長官は、発展の遅れた北東部の観光と漁業が打撃を受けたとし、賠償を求める考えを示した。

ブラジル検察当局は文書の中で、「船会社、船長、船員が大西洋上での原油漏れ、あるいは放出について当局に報告しなかった強力な証拠がある」としている。

ロイターが閲覧した令状によると、連邦警察はリオデジャネイロの海運2社、ラクマン社と、SACORホールディングス子会社のヴィッツ・オ・ブリエンズを捜索した。両社とも、犯罪行為を疑われていはいないとする一方、問題の「ギリシャ企業」と商業上の関係はあるとしている。

ブラジル当局は船と船長、船員、会社をさらに調べるため、国際刑事警察機構(インターポール)を含めた国際的な捜査機関に協力を要請していることを明らかにした。

連邦警察は、位置情報などのデータから、原油の流出元近くを7月28日から29日に航行していた船はこのギリシャ船のみとしている。

ブラジルでは、原因の特定を巡る混乱に加え、油の除去作業が進まないことで、政権への批判が高まっている。政府関係者は、標準的な手順に従って進めているとしている。

関連記事
5月14日、メリーランド州、ネブラスカ州、西バージニア州で民主党と共和党の初選が行われた。前大統領ドナルド・トランプ氏と現職大統領ジョー・バイデン氏は選挙戦でいくつかの警告信号に直面したが、全体的な状況は安定していた。5月14日予備選挙のハイライト
反ユダヤ主義に対抗することを目的とした法案が米国下院で可決され、憲法修正第一条の権利に影響を及ぼす可能性について党派を超えた議論が巻き起こっている。反ユダヤ主義啓発法として知られるこの法案は、5月1日、321対91の賛成多数で米下院を通過した。
5月14日、英国バーミンガムで行われた安全保障会議で、英国と米国は、中共によるサイバー攻撃とスパイ活動が世界の安全に重大な影響を及ぼしていると指摘した。
ノースカロライナ州マチュース。 ドナルド・トランプが大統領選で共和党の推定候補者となって以来、全米世論調査での彼のリードは強くなっている。大きなアドバンテージを持つノースカロライナ州の地元保守派は、草の根運動の欠点を懸念している。
ニュージャージー州ワイダーウッド、前大統領ドナルド・トランプは5月11日、ビーチでの珍しい演説に数万人のファンを集めた。民主党が優勢とされるこの州で、共和党候補がこれほど多くのファンを集めたのは歴史的な偉業だと言える。