「親中」から「反中」に カナダの女性研究者「今の中国と友好的になれない」
カナダのアルバータ大学中国研究所のマーガレット・ジョンストン(Margaret McCuaig-Johnston)上級研究員は、かつて中国当局に「中国の友人」と呼ばれていた親中派だったが、今は中国に最も批判的な専門家になった。
1979年に初めて訪中した同教授は40年来、カナダと中国の架け橋として、中国の発展に尽力した。「中国政府とも、中国人とも厚い友情を築いた」
同氏はその後、中国問題を扱う国際関係の修士号を取得した。
しかし、40年が経った今、同氏は中国が「全く理解できなくなった」という。今の中国は、南シナ海での勢力拡張や一帯一路の推進など野心に満ちている。中国通信機器大手ファーウェイの最高財務責任者・孟晩舟氏が昨年12月にカナダで逮捕され、その報復措置として、中国当局は二人のカナダ人を逮捕した。同氏はこの逮捕から、中国政府の恐ろしさに気づいた。
「中国は、カナダだけでなく他の国でも人質外交を展開している」と同氏は米ラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に答えた。
二人のカナダ人が逮捕されたとき、同氏は上海にいたが、二日後に彼女のホテルの部屋に何者かが侵入し、施錠した荷物を調べていた。これは中国当局の犯行と考えたほうが合理的だと同氏は話す。現地の知り合いから、中国当局が逮捕の対象になりうるカナダ人100人をリストアップしたと伝えられた。
マーガレット氏は、中国は自国民にも抑圧の手を緩めてないと語った。
「再教育キャンプに拘束されている新疆ウイグル人だけでなく、ほか少数民族や共産党に異議を唱える人たちもさままざま迫害を受けている」
彼女は声を上げることにした。これまでメディアの取材を受けたことのない彼女は、メディアに記事を発表し、インタビューを受け、カナダに対中政策の見直しを訴えた。
12月5日に開会される次期国会では、 「二人のカナダ人の救出が第一の目標だ」 としながらも、 「もし二人が中国に起訴された場合、カナダ政府は強力な措置を取らなければならない」 と述べた。
「例えば、中国からのカナダ不動産への投資を制限することや、中国人スポーツ選手の訓練の受け入れ拒否や、賃貸中のパンダの中国への返還、アジア開発銀行への投資の取りやめ、両国の国交正常化50年を祝う行事の中止などが可能だ」
こうした措置は、カナダの立場を示したもので、中国は国際社会で恥をかくことになるという。
「中国は今、悪名高い国となり、これほど多くの悪事を見ていると、中国と友好的な態度を保てなくなった」
(翻訳編集・李沐恩)