日産、ゴーン前会長の私的流用を指摘 東証提出の報告書で

[東京 16日 ロイター] – 日産自動車<7201.T>は16日、東京証券取引所に提出した「改善状況報告書」で、カルロス・ゴーン前会長が会社の資金を私的に流用した可能性のある行為の詳細を明らかにした。同社とアライアンス(連合)を組んでいる仏自動車大手ルノー<RENA.PA>との統括会社「RNBV」(オランダ)との共同調査を踏まえた。

日産は報告書の中で、ブラジル・リオデジャネイロのカーニバルやフランスのカンヌ映画祭へのゲスト招待費用、フランスのベルサイユ宮殿でのパーティー費用や、高級ブランド「カルティエ」での贈答品購入など、RNBVの業務とは無関係な費用として、ゴーン氏が少なくとも390万ユーロ(約4億7800万円)を支出したと指摘した。

ゴーン氏による「寄付」にも言及。RNBVがゴーン氏に代わり、2009年から18年にかけて実施した学校など10機関への約237万ユーロ(約2億9000万円)の寄付のうち、9の機関は日産とのビジネスがほとんどないレバノンの学校や非営利団体だったことに加え、その多くがゴーン氏の個人名で実施されており、RNBVの業務と関係のない可能性が高い、とした。

このほか、ゴーン氏は「アライアンス業務とは無関係な可能性が高い目的のためにコーポレートジェットを利用した」とも指摘した。行き先や家族同伴などの事実を踏まえた指摘で、こうした個人的な渡航費用が「市場価値に換算すると少なくとも310万ユーロ(約3億8000万円)に上り、RNBVが被ったコストは少なくとも 510万ユーロ(約6億2500万円)に上る」と記した。

ゴーン氏は逃亡先のレバノンで日本時間8日夜から9日未明にかけて開いた会見で、ベルサイユ宮殿でのパーティーは日産とルノーの連合15周年を祝って行われたものであり、その場に日産幹部がいなかったのは外国のパートナー向けのパーティーだったためだと反論。日産がこれを不正とみていることについて「人格を傷つけている」と批判した。

ゴーン前会長は会社法違反(特別背任)の罪などで起訴され、保釈中だった昨年末、日本を不正出国した。

 

 

(白木真紀)

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