中国の米原油輸入急拡大、世界的な原油フローが一変も

[シンガポール 16日 ロイター] – 「第1段階」の米中通商合意により、中国が米エネルギー製品の輸入を大幅に拡大し、それに伴って他国からの原油輸入が縮小すれば、世界的な原油取引の流れが一変する可能性があると、関係者は指摘している。

中国財政省は16日、同国と米国が15日に署名した第1段階の通商合意の内容(中国語版)を発表。今後2年で524億ドルの米エネルギー製品を追加購入することで合意した。トレーダーやアナリストによると、米エネルギー製品に関する合意内容は原油輸入が大幅に増えなければ達成できないという。

ただ米国産原油の輸入急増に対応するために、中国の輸入業者はブラジルやノルウェー、西アフリカなどからグレードが同程度の原油輸入を減らす必要があるとみられており、これが軽質スイート原油市場に変化を引き起こし、世界中に広がる可能性があるという。

中国国営の石油企業関係者は「輸入先を多様化し、西アフリカの原油価格を押し下げるには、米国産原油は常に良い選択肢だ」と指摘。トレーダーも一部のグレードのアフリカ産原油は米国産原油と似た性質を持ち、入れ替えることが可能だとした。

また、複数の関係筋によると、中国が米国産原油に課している5%の関税がなければ、中国に輸出される米WTIミッドランドの価格はブラジル産や一部の西アフリカ産の原油よりも1バレル当たり0.5─1ドル安いとみられている。

中国が再び米国産原油の主要輸入国に戻れば、今後2年間で過去最高に達すると見込まれる米原油生産の過剰供給を吸収する可能性が高い。

ゴールドマン・サックスのアナリストは1月10日付のリポートで、中国は原油輸入を20年に日量50万バレル、21年に日量80万バレル増加させる可能性があるとの予測を示した。

ナショナルオーストラリア銀行のコモディティー調査部門責任者、ラクラン・ショー氏は「米中通商合意のエネルギー製品に関する部分は容易に達成可能だろう」と指摘。中国では今後2年間で精製能力の高まりとともに原油需要も拡大すると述べた。

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