新型肺炎で中国の死者41人に、米で2人感染 欧州でも2例確認

[24日 ロイター] – 中国湖北省武漢市で確認された新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大しており、保健当局によると、24日時点で湖北省では新たに15人が死亡した。これで新型肺炎による中国国内での死亡者数は41人に達した。湖北省で確認された新たな感染者は150人に上る。

米疾病対策センター(CDC)も同日、米国内で2人目の感染者を確認したと発表。新たな感染者は武漢を旅行した60歳の女性で、シカゴで確認された。昨年12月に武漢を訪れ、1月13日に米国に帰国したという。シカゴ当局によると、この女性は現在シカゴ市内の病院に入院しており、容態は安定しているという。

CDCはまた、現在米22州で63人が検査対象となっていることを明らかにした。うち11人は陰性が確認されたという。

米国では21日にも、ワシントン州で中国に渡航した男性が新型肺炎に感染したことが確認されている。

米共和党のジョン・バラッソ上院議員は保健当局者による議会のブリーフィング後、米国で確認された患者が最長14日前に中国で新型コロナウイルスに感染した可能性があると語った。

フランスでもこの日、新型肺炎の感染2例が確認された。欧州で初のケースとなる。

同国のビュザン保健相によると、感染者の1人はパリ市の病院に、もう1人は南西部ボルドー市の病院にそれぞれ入院しているという。

ボルドーでの感染者は48歳の男性で、2日前に中国から帰国。中国では武漢も訪れたという。パリの感染者に関する情報は現時点で明らかになっていない。

政府系地元紙の長江日報によると、感染の「震源地」とされる武漢では、新型肺炎の患者に対応するため、ベッド数1000床の病院の建設が進められている。

プレハブのため建設ペースは速く、週明け27日にも患者受け入れの用意が整う見通し。

新型肺炎による死者はこれまでに中国国内にとどまっているものの、感染者は他国に拡大している。米仏のほか、これまでに日本では2人の感染者が確認されている。そのほか、タイ、ベトナム、シンガポール、韓国、台湾、ネパール、香港でも感染例が報告されている。

世界の空港では中国からの旅行者に対するスクリーニング検査を強化している。中国国内では春節に伴う連休で多数の中国人が移動すると見込まれることから、北京市では紫禁城や雍和宮などが閉鎖されたほか、25日からは万里の長城の一部も閉鎖される。

*内容を追加しました。

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