マカオがゴーストタウンに、新型肺炎の感染拡大で観光客激減

[香港 29日 ロイター] – 新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大するなか、本来なら春節(旧正月)の書き入れ時を迎えているはずのマカオがゴーストタウンに近い状態となっている。中国政府が感染封じ込めを狙い、海外団体旅行の禁止など国民の旅行を制限する措置を打ち出したため、訪れる観光客が例年に比べ激減している。

マカオ政府は28日夜、中国本土からマカオを訪れる旅客の間で最も一般的に使用されるビザの1つである個人訪問スキーム(IVS)の発給が一時的に停止されると発表した。最新の当局のデータによると、24日以降の訪問客は前年比で69%も落ち込んだ。

中国経済の減速や香港で続く抗議デモに加えて、春節と重なった新型肺炎の感染拡大の影響がとりわけ懸念されている。マカオへの渡航制限が続けば、カジノ業界の収入が少なくとも30%減ると予想するアナリストもいる。

29日に取引が再開された香港株式市場では、マカオのカジノ関連株が急落。MGMチャイナ<2282.HK>は6%、金沙中国(サンズ・チャイナ)<1928.HK>は5.7%、ウィン・マカオ<1128.HK>は4.8%、ギャラクシー・エンターテインメント<0027.HK>は4.7%、それぞれ下げている。

中国で唯一、合法的にカジノでギャンブルができるマカオの訪問者は90%が中国本土からの旅客だが、中国本土とマカオを結ぶ航空便やフェリーも便数が削減されている。

カジノは営業しているものの、運営業者はレストランを休業し、ショーはすべてキャンセルした。

マカオの賀一誠行政長官は、感染拡大に対応してマカオの全てのカジノを閉鎖する可能性も排除しないと述べている。

マカオ政府は湖北省からの観光客全員にマカオを離れるよう指示したが、当局者らによると、270人前後がマカオに残っているという。

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