北朝鮮、ウイルス警戒の国境封鎖で経済に深刻な打撃も

[ソウル 4日 ロイター] – 北朝鮮は新型コロナウイルスの拡散を防ぐため中国やロシアとの国境を封鎖、海外との取引もほとんど絶たれており、国内経済への大きな打撃が懸念されている。経済発展を掲げる金正恩朝鮮労働党委員長にとって痛手は避けられない情勢だ。

すでに近隣諸国との航空便や列車の運行を取りやめ、最近入国した外国人には数週間の強制検疫を実施、海外からの観光客受け入れも中止しており、国の閉鎖に拍車がかかっている。

「彼ら(北朝鮮当局)は貨物の流入を許さず、中国人も締め出している」と、中国との国境付近の状況を直接知る人物は語った。

<「相当な悪影響」は避けられず>

北朝鮮ではこれまで新型コロナウイルスの感染は確認されていない。これは、同国が頼っている中国など経済的つながりが断絶され、あるいは極端に制限されていることも意味する。

脱北者でソウル在住のカン・ミジン氏は「北朝鮮の市場経済だけでなく、国の経済全体に大きな影響が及ぶだろう。北朝鮮は国産を推奨しているが、菓子であれ衣服であれ原料は中国から輸入している」と述べた。

ウラジオストクの極東連邦大学のアルチョム・ルキン教授は、北朝鮮の経済的リスクの度合いは、閉鎖の長さにかかっていると指摘。「数か月あるいはそれ以上になれば、相当な悪影響を与えることは確かだ」と述べた。

最近の韓国の貿易協会のリポートによると、2001年には17.3%だった北朝鮮の対外貿易に占める中国の割合は、去年91.8%に達した。数千人の中国人観光客も大きな経済効果をもたらしている。

<苦境続けば対外挑発も>

米国との非核化交渉が暗礁に乗り上げるなか、今回の新型ウイルス危機で北朝鮮の立場が弱まることも考えられる。

ルキン氏は、経済的苦境を埋め合わせるため、北朝鮮が長距離弾道ミサイル発射や核実験など挑発行為に出る可能性を指摘。「コロナウイルス問題がすぐに解決されなければ、北朝鮮の状況は今年一層厳しくなる」と述べた。

関連記事
アメリカのキャンパス、テスラの工場、そして今月スウェーデンで開催されたユーロビジョン・ソング・コンテストの会場において、混乱を招き、あからさまに破壊的ですらある凶悪犯たちに共通するものは何だろうか?彼らは皆、何らかの形で資本主義を破壊したいのだ。
5月16日、欧州の消費者団体は、動画プラットフォーム拼多多(Pinduoduo)の海外ECオンラインショップT […]
世界政府実現への努力は決して止むことはなかった。国連はその一つに過ぎない。エリートの狙いは、最も賢い人々からなる極少数のエリートによって支配される未来の世界政府だ。
多くのアメリカ人は、いまや1960年の選挙についてあまり覚えていない。 また、2020年の選挙が1960年の選挙と非常に似ていることに気づいている人も少ない。
アヴリル・ヘインズ国家情報長官によると、北京は米国や世界の選挙に影響を与える能力に自信を深めているという。 2024年の選挙に対する外国の脅威に関する上院公聴会でヘインズ氏は、中共当局は人工知能とビッグデータ分析を通じて影響力作戦のツールを完成させていると述べた。