【紀元曙光】2020年2月7日
新型コロナウイルスの猛威が止まらない。呼吸困難と高熱に苦しみ、生死の境にいる中国の老百姓(ラオバイシン「庶民」のこと)を画像で見るにつけ、本当に気の毒に思う。
▼患者をつれた家族は、費用を必死で工面し、藁にもすがる思いで病院を目指す。しかし病院のベッドは満杯で「自宅で隔離しろ」と門前払いされるばかりだ。不幸にして自宅で死亡しても、新型肺炎とは認定されない。
▼受け入れる医療施設が圧倒的に不足していることは確かだ。そんな中、2月3日に10日間づくりの「病院」が忽然と現れた。その名は火神山医院。隣接する土地には雷神山医院というのも作られていて、こちらは2月10日ごろに完成予定という。
▼陸海空それぞれの軍医大学から医療隊が入るなど、ここに集められた軍関係の医療人員はおよそ1400人。軍関係とは、今後この中で起きる全ての事が、軍によって管理されることを意味する。つまり「臓器狩り」施設のような、軍の機密にもなりうるのだ。
▼すでにネット上で話題になっているが、その病室の窓枠には、刑務所の鉄格子ではないが、多数の鉄パイプが縦につけられている。どう見ても、これは患者の逃亡防止用ではないか。
▼ここでは、隔離はするが、患者を助けるための積極的な医療が行われる保証はどこにもない。中国共産党の宣伝用に、いくつか「成功例」は作るにしても、大多数は隔離したまま見殺しにする。その先例は、2003年のSARS発生時に急遽つくった北京小湯山医院に見られる。ここは病院ではない。生きては二度と出られない強制収容所なのだ。
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