米農務省、20年度の対中農産物輸出140億ドルと予想 第1段階合意下回る

[アーリントン(米バージニア州) 20日 ロイター] – 米農務省は2020年度(10─9月)の農産物輸出が、前年比40億ドル増の1395億ドルとなり、そのうち中国向けは140億ドルになるとの見通しを示した。

米中が1月に署名した「第1段階」の通商合意では、中国が向こう2年で米農産物の購入額を年平均400億ドルに拡大するとされており、農務省の見通しはこの額を下回る。

パーデュー農務長官はこれについて、第1段階合意の詳細は見通しに反映されていないと説明した。

20日に公表された農務省の予測は既存のデータやトレンドに基づいて策定され、第1段階合意に盛り込まれた内容は含まれていないという。

農務省チーフエコノミストのロバート・ヨハンソン氏はロイターのインタビューで、新たな情報が入れば今後の見通しに反映すると述べた。ただ、中国による合意の履行状況次第で数字はいずれの方向にも変動し得るとした。

同氏はまた、農務省の予測と第1段階合意の数字の開きについて、新型コロナウイルスの影響も理由に挙げ「中国が直ちに輸入を拡大すると想定していたが、新型ウイルスによって第1・四半期の中国経済は、ほぼ停止状態に陥った」と述べた。

パーデュー長官は、新型ウイルスの影響次第としたうえで、中国は今春までに購入を拡大し始めるだろうとの見方を示した。

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