WHO「パンデミック宣言は尚早」、新型ウイルス阻止に望み

[ジュネーブ 24日 ロイター] – 世界保健機関(WHO)は24日、新型コロナウイルス感染拡大について、「パンデミック(世界的な大流行)」と宣言するのは時期尚早との認識を示した。

テドロス事務局長は「新型ウイルスの食い止めはなお可能」とした上で「パンデミックという言葉は事実にそぐわない」とし、「パンデミックの可能性に備えながら、パンデミック阻止に注力すべきだ」と語った。

「新型ウイルスがパンデミックとなる可能性を秘めているかとの質問に対しては、絶対的にそうだというのが答えだ」としつつも、「パンデミックの状態にあるかと問われれば、われわれの評価に基づくと、その状態には至っていない」と述べた。

イタリアやイラン、韓国での感染例急増については「深刻な懸念」と表明。同時に、世界的に制御不可能な状態に陥ってはおらず、多くの死者も出てないと指摘した。

イランではこれまでに61人の感染を確認。感染による死者は12人。

WHO緊急事態プログラムの責任者マイク・ライアン氏は、イランで死者数が高いのは、深刻なケースのみが確認されていることを反映している可能性があると指摘した。また、WHOのチームが25日にイラン入りする計画を明らかにした。

WHOは1月30日、新型ウイルスについて、国際的な公衆衛生上の緊急事態を宣言したが、その後パンデミックの宣言には踏み切っていない。

WHOは2009年、新型の豚インフルエンザ流行の際にパンデミックを宣言したが、想定されていたほど深刻ではなく、ワクチンや治療薬の迅速な開発を迫られた医薬品業界から非難の声が上がった経緯がある。

*見出しを修正しました。

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