【紀元曙光】2020年2月28日
ある雑誌で目にした医療専門家の話を、引用させていただく。「花粉がバスケットボールの大きさなら、ウイルスは、ゴマの一粒。したがって花粉症予防のマスクでウイルスは防げない」。
▼ウイルスとは、それほど微小なものらしい。そのせいもあって、何とも不気味な存在に思われる。何しろ、その小ささゆえ、どんどん透過してくるのだから。
▼ある一時期、日本の店頭に中国人が殺到し、マスクが消えた。マスクを大量に買う目的は、自身と家族を守るためか、中国で転売して利益を得るためか、その両方か。訪日中国人が減って、少し落ち着いたようだが、今度は日本人も必要とするようになったので、品薄であることは変わりないらしい。
▼非常時における人心の動揺につけ込み、法外な値で物を売ることは、通常、人間として不道徳とされる。が、なかには「需要と供給の関係だ」と居直るものもいる。世にいろいろな人間がいるように、マスクの用途も様々なのは、何とも致し方ない。
▼小欄はマスクの効用を否定するものではない。自分が他者に感染させないためなら、マスクは無意味ではないだろう。もっと言えば、「私、マスクしてますよ」で、お互い少しは安心できる「風景」を作るためなのかも知れない。ただ、ウイルスを完全遮断する効果をマスクに期待するのは、幻想でしかない。
▼今、多くの日本人が不安を感じていることは誰も否定できない。ただし、「恐れる」を思考や行動の出発点には、なさらないでいただきたい。マスク信仰もそうであるように、恐れは膨張していく。「正しく防ぐ」これしかない。
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