新型肺炎まだパンデミックに至らず、協調で封じ込め可能=WHO

[ジュネーブ 5日 ロイター] – 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は5日、新型コロナウイルスの感染拡大はまだ「世界的な大流行(パンデミック)」の段階には達していないとした上で、世界各国が協調して取り組めば封じ込めは可能との見解を表明した。

テドロス事務局長はジュネーブのWHO本部で行った記者会見で「パンデミックと判断される時が来れば、科学と証拠に基づき、パンデミックと宣言することに全く問題はない」と指摘。同時に、封じ込めが可能であることを示している国もあり、「諦める時ではない」と強調した。

さらに「すべての国に対し迅速で大規模、かつ断固とした対応を呼び掛ける」と強調。「一部の国は十分に真剣に受け止めていないか、できることは何もないと決めている」とし、「現在は諦める時でも、言い訳を探す時でもない。今は最大限の努力を行う時だ」と述べた。

また、特に保健医療制度が十分に整っていない国で新型ウイルスの感染確認が増加していることを懸念していると指摘。ただ、新型ウイルスは「先進国、途上国を問わず全ての国に対する脅威」であるとし、先進国も思わぬ展開に対し積極的に備える必要があるとの考えを示した。

一部では今回の新型ウイルスの感染拡大はすでにパンデミックに達しているとの見方も出ているとしながらも、WHOは封じ込めに向けた戦略が放棄されてはならないと考えていると述べた。

新型ウイルス感染で107人が死亡し、感染者が3500人超に達しているイランについて、緊急事態プログラム責任者のマイク・ライアン氏は「イランが問題の深刻さを認識し始めている」とし、「感染の初期にはどの国も後手に回る。イラン入りしたWHOのチームは当局と共に対応策を見極めている」と述べた。

*内容を追加しました。

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